石氏の事は、私の北海道在住時代から存じ上げていた。
というのも、20年近く前の当時から岳人誌上「クロニクル欄」に頻出している数少ない岐阜県人として注目していたし、私のような人間からみても興味を惹く沢の記録を頻繁に投稿してみえた。
今や沢登りのスタンダードと化した「飛騨の舐め沢」の第一情報発信者は氏だったと記憶する。
世紀末のほぼ2000年に岐阜に戻ってきて、クラッククライミングに多少の興味を持って瑞浪の岩場にちょこちょこと出掛けた。事情も地理も判らず情報も少なく、岩場で出会う方々に話し掛けるも「何だぁよ、素人が話し掛けてこないでくれ」といった風情の応対が何組も続いて「何なんだ、この不遜な振る舞いの連中は!」とこの地方色に憤慨し、不快感で満ち満ちていた頃合いに銘クラック「イブ」の近くで出会ったのが宇宙人、ではなく石氏だった。これまでの連中とは違って、こちらの覚束ない質問にも丁寧に答えて下さり「どちらからお見えで?」「岐阜市です」「えっ、私もですよ」話進んで気さくさに乗じて名前を伺って「あっ!」と声をあげてしまった。こんな場末でお会いすることとなろうとは。岳人誌クロニクル欄の話でひとくさり盛り上がって、その場は済んだ。
メール遣り取りの接点はその際得たものではなかったはずだが(ブログだろう、きっと)、幾度目かの文末に記載のアドレスを見て更に「あっ!」と驚いた。
氏は私の実家のご近所さんだった! それも同じ団地内でもかなり至近で、過日見舞いに伺った際に下の娘と歩いて測ってみたら実に477歩の3分ジャストのその距離僅か200mだった。
氏の激しい山行歴に反してその穏やかな物腰は、私の周辺にはついぞ見掛けない上品な方なので、品の無い私は酒の場では緊張してついつい飲み過ぎ行き過ぎてしまう。母と性質の似た穏やかさをお持ちだからかも知れない。ご容赦願います。
浜田知明【熊本生まれ】の版画に石氏を想起する小品があって、氏と会うとイの一番にそれを思う。
常々価値ある記録を読み込んでいるから、山中であっても即会話が弾むのですよ。またまたそのパターンでしたね。とはいえ近所のよしみとはうらやましや。
このご近所さん共々3人でまた沢に行けるといいのですが、9月週末は御多忙とのこと。
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