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2016年12月15日 10:38全体に公開

驚愕

 昨日は満月、なので家内が河原で月見がてら焚火を所望したけれど、寒冷前線通過後のバリバリの冬型で強風が容易に予想されるためにまたの機会に、と流した。
 一昨日の雨に引き続き、びうびうと強風吹きすさぶ中、今日もアウトドア作業者は誠にご苦労様です。満月故にか、社内でアウトドア従業員の怪我も発生した。
 今朝早起きして見た煌々と照る満月は実に良かった。

 Rock&Snow最新号が先週12/6に発売されたというのに、市内で手に入れようとあちこち回ってナイナイナイで、ようやく探し当てたのが4軒目のFREE書房鷺山店だった。こういうことが続くと、アマゾンに流れっちゃうよ。
 そのAmazonに掲載されていたRock&Snow074号内容紹介にあった「称名の滝単独フリー初登攀」??が目玉と知り、ようよう手に入れたものを読めば、正式には「称名滝登攀を含む称名川本流単独完全遡行」であった。書いてる人もその真価を判っていないようだ。

 ヤマレコ登録者の甕檜葉さんが↓に書かれていた日記
http://www.yamareco.com/modules/diary/7659-detail-131849
をきっかけに、この驚愕の記録を知った。

 ページを繰れば目次の次、OnSite01の004ページに掲載があった。沢の記録としては破格の扱いだが、ただしかし2頁のみの掲載だ。
 8ページブチ抜きを期待していたが、まだまだクライミングの世界にもその素地がないということか。
 真に理解の及ばない世界の話ながらも「大西良治」というバリューでこの扱いなのだろう、評価には値する。

 かなり心して読んだつもりだったが、内容が詰まり過ぎていて多少なり心得のある身にして理解が些か及ばず消化不良気味だ。
 実施期間2016年10月7日から19日の13日間に渡る単独行。13日間!!
 初登時にはエイドの入った称名滝4段目もフリーで登っている(単独で!)。
 四段の称名滝を完登して、2日間の停滞を挟んで心折れそうだったとあるが、大概の神経の持ち主ならここで台地へ登り返して機を改めるところをビショ濡れで耐えている。
 ここから酷寒いや極寒、強風の大廊下帯に突入6日間!
 この間のストレス、プレッシャーを真に想像できるのは最早その内院に踏み込んだ経験のある者達のみであろう。足が痛みを伴ってパンパンに腫れ上がり、何より翌朝シューズが履けない事態に陥ろうものならこの閉鎖空間から脱出できなくなるやもしれぬとの恐れを抱きながら寒さに震えて寝る夜を誰が想像できようか。これを五度繰り返す。
 「途中で休みたくても休める場所は無い。兎に角、何が何でもテラスに辿り着くしかないのだ。」気温が急降下する日没後もラテルネの灯り頼りに困難なトラバースを繰り返す。空身でロープ張っては戻るのも面倒なトラバースをして往復後、も一度重たい荷を負んで墜落に耐えつつ横這う。これを40ピッチ以上!嗚呼。
 脱出したその晩に大雨後、大増水。
 その後も強固な信念の元で3日掛けて中ノ廊下、上ノ廊下をトレースし、室堂に下山。

 流石に食糧デポはあったものの、ノンボルトというポリシーを堅持し、以降の挑戦者たちに高いハードルを課すことも忘れない。
 「沢登りを始めて20年、ついに日本の最終目標を達成することができた。」
 「おそらく、もうこれ以上のことはできない。」
 極限の、遡行。

 多分恐らく、これ以上のスタイルでの第二登は出まい(以上となればノンデポワンプッシュしか残されていない)。
 こんなスタイルで完登されては、トライを重ねていた宮城氏やケンジリ氏もおいそれと手出しできないことだらう。

 畑違って本家のピオレドールはまだしも、黒部ゴールデンピラー隊や倉上慶太氏の「千日の瑠璃」登攀に適正な評価を与えているピオレドール・アジアが、次回第12回開催時にこの遡行に賞をきっと与えることと思う。こういった、魂の籠った行為に歴史的評価をキチンと与えることで、ピオレドール・アジアそのものの真価も上がることと思う。


 この号、トラッド号だからだらう特集からクロニクルと、何時になくやけにクラックが目立つ作りになっている。 
 表紙からして”ワイドの女王”パメラシャンティパックだ。
 「ワイドクライマー返し」の船山氏、御来光ノ滝左岸岩壁「憑き物落とし」5P目、ワイドボーイズにヤコポ・ラルケル、小田桃花が外岩に、アサギマダラも第7登が出て、アレックスメゴスは5.15bを初登し、その二日後に5.14Rのフラッシュを!「伴奏者」も登ったナーレ・フッカタイヴァルが世界初V17!?、アダムオンドラがドーンウォールに!白石阿島もサーシャ・ディジュリアンもクリス・シャーマもズゴイ。

 佐藤君の「スーパー赤蜘蛛フリーソロ」も、他所で聞き覚えのある記録だったが誌面に出るとやはりインパクトを感じる。ロクスノ2号だかに掲載の在った草野俊達氏の屏風岩「フリークライミング」の時と誌面での扱いが同等の強い印象を持つ。小さいけれど「ギョギョ」。

 今号の終わりには「追悼・吉田和正」があり、吉田氏が冬のフクベに来ていたとの山村氏の記述有。私が蕨生に住んでいた頃ならば、寄って泊まってよかったに。

 今号、キッチリ読了していないにも拘らず、内容テンコ盛りで既に満腹。

 だかしかし、それらおしても「称名川本流単独完全遡行」は全く遜色無い。
 『称名川は、これからもずっと心に輝き続けるだろう。
  人生最高の沢として。』
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