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母は現在末期のガンを患っており、その癌組織が脳にある所謂「脳腫瘍」である。
昨年6/20のガン告知以降、検査を通して進行性のモノであることや開頭手術しての腫瘍組織切除の難度や母の体調等様々な要素を勘案して家族で話し合った結果、手術という選択肢は敢えて選ばず、あくまで患者である母が穏やかに旅立てるよう家族で力を尽くしてきた。
母本人の意向「できるだけ自宅で過ごしたい」思いに沿う事が第一義にあり、病状の進行により状況厳しくなった年明けから緩和ケアセンターにお世話になったのが今月13日の金曜日のこと。
「レスパイトケア」で一時入院後の帰宅の予定が、更なる病状の悪化でそれも崩れ、先週金曜日の面談となった。
此処への入院以前の自宅療養時に、定期検診で訪れたすくよか診療所(仮称)で別室に手招きされて看護師に念押しされた事項にこんなことがあった。
母に病状の急変【痙攣、意識不明、誤嚥、嘔吐、多分無いが吐血、等】が起こった際、救急車を呼ぶのではなく、まずは当所へ連絡して欲しい、と。
後に改めて緩和ケアセンターで確認することとなるが、「治療」という方向に向かっていない現状で緊急時に119番通報すれば、救急士としては開胸等の延命措置を仕事上取らざるを得ない、しかし今は「緩和医療」の範疇に居る我々家族には、母の生命を脅かすような症状が現れた際に安らかな旅立ちを手助けすることを優先して良い、というのである。緩和ケアの性質上、母を想って救急車を呼ばない【延命措置を講じない】という選択肢を家族が採ることができる、と。
癌告知といい、緩和ケア上の延命措置の解釈といい、身を持って知る現代医療のスタンダードだ。命の尊厳、とは。
先週の面談では、腫瘍肥大の影響で食事の嚥下もいよいよ難しくなってきた終末期の今、どういった選択肢があるのかを伺うつもりで出掛けた。
入院直後に撮ったＣＴ画面で癌進行の説明を受けた上で、
�［�動栄養を入れる鼻チューブ�⇔�動栄養を入れる胃ろう��首からの流動栄養入れ�す皀�ロリー点滴
を説明された。そしてもう一つ、�ゲ燭發靴覆ぁ嶌�を講じない」という選択肢まで。
�い�一番現実的ではあるけれど�´↓Ｆ瑛佑坊臈世睛�り、�い砲�痰の発生に伴う除去の苦しさが、また�´↓�には鼻チューブの苦しみや手術手間、栄養補充の適量加減の見極めが難しく、どうしても嘔吐症状が頻発してそれによる誤嚥性肺炎を起しやすい弊害まで説明された。
どの選択肢を採るのかは何を置いても本人意思が尊重されようが、判断もおぼろげな今となってはどうだろう？ �イ噺世Δ里�？
今し方、意識が割にハッキリとしている午前中に本人意思を聞いて来たが、副作用についてどこまで理解したかは不明ながら、管差してでも延命したいと頷いた。
これも考えると想像つくけれど、着地点を見越した質問者【私】の意向に沿った問い方をしがちで、誘導したい方へし向けたのでは？という自問が胸中に渦巻く。
ただこれを、家族の為自分の為に出来うる限り多くの時間を持ちたいという母の前向きな意欲と捉えたい。
自暴自棄に「もう、ええわ」と言わなかった点を大いに買いたい。そしてまた、極力その意に沿いたい。
また、意思あるうちに再び帰宅して、家の空気を吸わせてやりたい。
家内ともよく話すことだが、腫瘍が肥大しつつあるというのに脳腫瘍による頭蓋内圧亢進症状の最右翼である「頭痛」がこの母には一切無いというのが不思議なくらいなのである。
実家から運んで持ってきた、弘法様が護って下さっているのだと思う。
