正月にアレックス・オノルドの「Alone on the wall」を読んだ。
それに引き摺られてRock&Snow70(2015.12月号)を読み返したのだが、特集「ソロクライマーの系譜」筆頭はオノ氏でも倉上慶太氏でもなく、やはりディーン・ポッターであって、その写真を撮影しているのがジミチンである。
この号の特集は、今を時めく平出和也氏と学生時代にチョー・オユーを低予算で登っている大石明弘氏がテキストを纏めているが、これは実に労作です。「自分、書いてみ」と言われて時系列で追ってここまで上手に書くライターとしての力量は誰にでもあるものではないと思う。
【かつて、その両氏が表紙を飾った日本山岳会青年部発行の「きりぎりす5(2002.1)」があるが、ここに投稿している故・榎並ユージ氏も前出の町田有恒氏同様に泥臭系慶応ボーイだ。】
流石のディーン・ポッターも、ダン・オスマンのロープジャンピング(フリーフォール)は「一回でこりごりだった」とあるので、檀氏の「オカシみ」は一ランク上だったのだろう。檀氏はそのフリーフォールの失敗で後に落命している。
また、南裏健康氏のディーン・ポッター追悼文も実に読ませる。氏にスカイスポーツの経験があるだけに説得力がある。
「なぜ冒険に駆られるのか。それは『人生は生きるに値するか』日々自らに問いかけているからだ」
何を置いてもジミチン写真が素晴らしい。地味になく、さりとて派手さに傾くでなく、ロングクラック「コンセプション」の写真に、高所でのスラックライン【ハイライン】のソレ、そして極めつけの「ヘブン」のフリーソロシーン(P.17)!
アレックス・オノルドの写真もジミチン物なので、両者「ヘブン」のフリーソロシーンを陳氏が撮影していることになる。
もしかすると彼らの最期ともなりかねない、そんな際ど過ぎるフリーソロシーンを撮影する心境は如何なものか? リハーサルシーンを見て全幅の信頼を置いた上で信じ切りスカッと割り切って撮影に臨んでいるのか。撮影側にも相応のデリカシーが求められる状況に違いない。
ディーン・ポッターの偉業の頁後に、フリーソロを俯瞰した羅列に続くアレックス・オノルドの項を読むと更にその凄味が理解できる仕組みになっている。
更には、「Alone on the wall」を読みたくなる仕組み作りがなされている。
あ、ジミチンの話が別の所へ落ちてしまった。
奥方のチャイ氏、誰だかに似ている。
「人生は生きるに値するか」「なぜ山にのぼるのか」。macchanのようなプロの山師ならともかく、我々、週末里山ヘボクライマーに問いかけられても。。コメントに窮してしまいます。
ちっとも「地味」じゃない。
マースケ様
お金積んでガイドに引っ張られてチョモランマに登るのも登山ならば、裏山でも想像力を膨らませて独力で地図睨んで登るのもまた登山です。「なぜ山に登るのか」を自問するのにヒマラヤもウラヤマも同等だと思っています。マースケさんのような奥美濃巡礼者こそがそれを体現していると思っています。
キリギリス5の変な顔二人は、あの二人だったんだ!
ジミヘン→ジミチン、ハリーポッター→ディーンポッター。
あのジミーさんをジミチン呼ばわりするとは、いいですね。本人に教えてあげたい。
チャイさんの似ている人、僕はすぐに浮かびましたね。カツマタくんのかみさんです。
マー助さん
「人生は生きるに値するか」「なぜ山にのぼるのか」は全ての人類の問題だと思いますよ。ヘボでもシャンでも関係ないと思いますよ。
yoneyama様
カツマタクンのカミさんというのはあの旧姓「老女好き」の彼女ですな。
山の世界もあちこちで繋がっており、調べると中々面白いデス。
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