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山登りに現(うつつ)を抜かした結果、大学生活で2度の留年を重ねた。その上で大学最終年度、卒業の年(6年目4年生)を迎えるに当たっての講座配属への動きが23年前の今時分にあった。
私の属した大学校は「水産系」枠で募集があり受験した。
1年と半の教養部時代の成績を受けて「漁場資源？系」「漁業工学系」の振り分けが有り、入学して早一ヶ月で向学心を教養棟への通学路の脇に落っことしてきてしまった私に選択の権利なく、生物学寄りで人気の「漁場系」にはとんと及ばず「漁業工学系」に自然選り分けられて函館へ。
その後1年と半の水産学全般の講義を受けた後に更なる篩い分けがあるのだが、建前上は成績順乍ここにはシリアスな成績順位の網は無く、それよりかは希望講座担当教官との直接の掛け合い、人間関係、加えて根回し、ユーモアが加味されて結果、配属講座が決まるシステムになっていた。
留年の結果、年の違った同学年連中との関わりも殆んどなかった私と、当時同居していた内一人の星川という一年次より同クラスだった山登ドッペりワンゲル男は、そんな事情は露知らず、二人して卒論無しで出られると噂の「漁業経営学講座」に潜り込もうとボンヤリと考えていたら、、、、。
蓋を開けてみると、要領のイイ他の若い連中は既に移行講座先を決めており、万事遅刻気味の我々二人に残された席は件の「漁業経営学講座」が一枠と、卒論作成が厄介だと皆が避けた噂の「漁業機械学講座」のそれぞれ一枠のみの状況で落着しようとしていた。
「漁業経営学講座」に先輩風吹かせて捩じ込んでみたものの彼奴めら結託しおって譲らぬ。
ええい、こうとなっては致し方無い。俺と星川で決するのだ、どちらが「漁業経営学講座」配属か、を。
男のジャンケンで！
事の大きさは重々承知していたつもりだった。
勝たなくては、、、、もしも負けたりしたら、、、、！
何て重てぇジャンケンなんだ。【「大正野郎」平風に】
それにしても何もよりによって同居人星川の野郎と何故に椅子取り合戦をせねばならぬのだ！
飲めば二人は、常日頃からこの手の競争を下らないものと唾棄してきたというのに。椅子は拵えるモノであ〜る、と。
しかしそうも言っては居られぬ。茂木氏の助言もあって何としても卒業に向けて邁進せねばならぬのだ。
男のグーで来るだらう、応援団員・男の星川は。
それに応じて私はパーを出して、良いものだらうか？
いや、それを見越してコイツはチョキで来るのでは？
更にそれを見越して俺のグー勝ち、又はアイコで様子見するか？
チョキでは駄目だ、チョキは。眼を逸らしてはイケナイ。祈るような思いで、、、、。
で、「最初はグー、ジャンケン」で俺が出したは何故か、、、、チョキだった。
ま、負けた。この俺が！
これが俺の処世で星川は果たして、、、、、男だった。ガクッ。
(�△悗弔鼎�)
講座をジャンケンで決めるとは！何という、・・・。
続編が楽しみです。
なにがあってもグーしか出さない、これが男でしょう。
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