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臥牛の様な恵那山を右手に侍らせ、ダイダイの陽がグワンと昇るのが見えて思わず車を停めて拝み、見入ってしまった。
先々週の土曜から続けた6時出社の「森林経営計画【変更】」作業も、今日の県庁への書類提出で片が付く。毎度のことながらシンドサもあったが、目標に向かって走るのは悪くない。
林業の世界でよく「間伐すれば補助金が出る」という字句が謳われるが、テレビや新聞紙上で語られることは少ないけれどもこれが伝える意味にはもうちっと膨らみがある。何でもかでも、木を切ればお金が落ちてくる訳ではない。様々な備えるべき要件があり、細かな単価設定が有りまた、越えるべきハードルがある。
会計検査院が眼を光らす中、払う側、受ける側に適正な運用が求められている。
今現在、林業界ではすべてが補助対象とはなっているわけでなく、主に「森林経営計画」に則った森林施業に対して補助金が投下される仕組みになっている(勿論、例外もある)。
林野庁の言うところの『森林経営計画』とは、
●「森林所有者」又は「森林の経営の委託を受けた者」が、自らが森林の経営を行う一体的なまとまりのある森林を対象として、森林の施業及び保護について作成する5年を1期とする計画です。一体的なまとまりを持った森林において、計画に基づいた効率的な森林の施業と適切な森林の保護を通じて、森林の持つ多様な機能を十分に発揮させることを目的としています。
逆に言えば「森林経営計画」に搭載されていなければ補助対象にはしませんよ〜、ということだ。
『虫喰い』状にしか施業の進まなかったかつての「森林施業計画」の反省を踏まえ、平成24年度から「森林経営計画」の運用が開始された。山林所有者からの委託を受けた林業事業体や森林組合が、森林作業道を含めた間伐等の(虫喰い状ではない)『面的施業』を5年を一分期とした40年計画を立案して、収奪的ではない適性な計画運用を求める仕組みである。
地球規模で関心の高まる二酸化炭素吸収の役割、そして国土保全の観点から公益性のある森林整備の一環である「間伐」施業には、国や県や市からの補助金が充てられている。
また、作業効率と搬出量、その質から経済的に利益を見込める点で「皆伐」そのものには充てられないけれど、その後の地拵えや植栽(苗植え)、またそれら保育作業には手厚い補助がある。
材価が下がる一方で人件費ばかりが上がるこのご時世で、金儲けを目指してこの業種に参入できる程にヌルイ世界にない。
何より、やってみれば判ることだが、作業自体は何にせよ「楽に無い」。機械化が進んでいるならまだしも、ウチの様なマンパワーに頼りがちな林業事業体は言わずもがなの過酷な現状である。オマケに危険でもあり、農業の「野菜の収穫」とは訳が違う。
ヨキとヤとチェーンソーだけで起業できるものなら後は技能と愛嬌だけなのだが、森林施業をする仕事場の確保や伐って搬出する森林作業道を主とした現場整備、山から伐り出してきた材木を金に換える販路と、様々な要素が絡んでこの業を大いに魅力あるものに仕立てている。
制度は複雑化の一途を辿り、使い勝手のいいメニュー【事後申請方式、書類審査少】は影をひそめ、林業と言えどアウトドアな反面でインドア(事務手間)な側面が膨張するばかりである。会計検査院の睨みの下で、県庁や出先の農林事務所からはあれもこれもの書類提出を強いられ、一般林業事業体の事務員は青息吐息の森も木も見ずの毎日を送る羽目となる。やれやれ。
「木も見て、森も見る。」
以前、平成26年2月の森林施業プランナーの事業発表会で上記フレーズを使ってじきに煙草のCMだかで同フレーズが使用されて驚いた。
木を見て、森も見て、更には森林整備事業の運用にも目配りして、新年度を迎えたい。
今年度は、年度末になって社内は今日も酷い状態で、最後の最後に大いに反省の残る年度となった。やれやれ。
それでも、また陽は昇る。
事務仕事が増えてるのは、どこの世界でも同じだね。土木でも、何でもかんでも書類、書類という感じです。
書類の上にまた書類、変更掛ければ変更申請書!
写真管理の進歩(デジタル化)や書類の遣り取りの迅速化(PDFメール添付等々)で仕事が楽になるかと思いきや逆で、それに伴って要求される仕事も増えるばかりとは如何?
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