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酔い残る未明、ここのところ早起き続きの私はいいとして、珍しく家内も起き出した。
今回の熊野再訪に当たって是非やってみたいことがあった。
それは、ゴトビキ岩から海に昇る朝陽を拝むことだった。
些か早過ぎの感もあったが、ちゃんと娘達に申し伝えて夜明けまでまだまだ時間のあるうちから二人宿を抜け出し、出掛けた。
小雨が降り出した。だがこうなったら傘差してでもあの急な石段を登りたい。
駐車場に着く頃には幸いにして雨は止んだ。
無論、誰も居はしない。
新聞配達のバイクの灯りが遠くに見えた。
鳥居を潜って登り出す。
闇夜に二人して登った昨夏の白山での夜を思い出した。あれもまた、実に好ましい登山だった。
アレッと思う位にあっけなく着いてしまった。流石は先日の荒療治が効いている。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1098605.html
街灯りに「ぼうっ」とゴトビキ岩が浮かぶ。海には未だ朝の気配すらない。
例の場所に、背負ってきた水と明日から中学へと通うであろう息子の鞄を供えて海と町との方角を眺めた。
家内は今、町を見下ろし何を思うや。
やはり来るのが早過ぎた。身体を冷やす風に抗う我慢も無く、雲で日の出も拝めそうになく山を下りた。
神倉神社日出参拝、また来ます。
新宮から宿のある紀伊勝浦に戻る際、高速道から降り損ねて行き過ぎた太地の海で、図らずも日の出が拝めた。
最近色々と有り過ぎた。坊主の件含め、改めてこれを我らの初日の出とし、仕切り直して新たな門出としよう。【しつこく続く】
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