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「ひるのいこい」で、先頃亡くなったペギー葉山が「爪」を歌う。演歌ジャズ、若しくはジャズ演歌?
「もう止しなさい 悪い癖 爪を噛むのは 良くないわ」
「直しなさいね 悪い癖 爪を噛むのは 良くないわ」
「ベッドで煙草はよくないわ(Don't Smoke In Bed)」というのもあった。
また「ベッドで煙草を吸わないで」という元参議院議員、沢たまきの有名ナンバーがあるが、全く別の曲だそうで。
「爪」の作詞、作曲は平岡精二だった。確かに曲中でも精ちゃんのビブラフォンが背後で鳴る。
爪を噛むのはペギー葉山の癖だったそうだ。私やウチの坊主も、だ。
因みにペギー葉山の「ペギー」は勿論、名ジャズシンガーであるペギー・リーに由来する。
クラリネットは誰だらう、北村英治か?いや違う、鈴木章治か藤家虹二か。時代の雰囲気から鈴木だと思う。村井祐児でないことは確か。
話が横道に逸れるが、北村英治氏は以前、このNHKラジオ第一にも出演した。
1929年4月8日生で俺と釈迦と同じ誕生日、御年88!
慶応大学在学中にクラリネットを学んで22歳にはプロデビュー。ベニーグッドマンやバディ・デフランコはいいとして、クール派のリー・コニッツも研究していたというのが興味を引く。
その時の話で一番印象に残ったのが、プロとして順風満帆な演奏者人生を送っていた中で、些か我流の気もあったことを自覚していた英治氏は、思い立って改めて正統派のクラリネット奏法を学び直そうと教えを乞うたのが何と!十も年下の東京芸大教授村井祐児(1940.3生)氏だった。
その際英治氏は「”ちょうちょ”を吹いてみなさい」と言われるがまま吹けば今度は「音が汚い」と面と向かって言われて腹を立てるどころか素直に修正していったというからやはりプロは違う。
話戻って「爪」の話だった。
誰しも作文する際には誰か彼かの影響下に有ると思うけれど、影響と言うにはおこがましくもあって手本にする、若しくはあんな風に書けたら表現できたらタマランなぁ嬉しいなぁ、というのが私にも有る。
大阪に、知る人ぞ知るジャズレコードCD専門店「LIGHTHOUSE(燈台)」があって、全国各地にその手の猛者の熱狂的ファンを囲っている(店舗移転して今もあるようだ)。私も北国に暮らした頃、今のようにネットでピッ、と買えるような時代になかった不便な時期に、そこが毎月発行する紙媒体である「JAZZ Disk Report」を、それこそ穴の空くまで眺めては、無い金を捻り出して文化的出費に投じていたものだった。
その小冊子には何人かの連載文が毎号掲載されており、中で私が一番楽しみにしていたのが「クリーンヘッド・K」を名乗る横浜辺りに住まうと思しき方の書く小文MY BLUE HEAVENだった。冊子の性格上、購入したジャズCDを中心に語られるのが常だったが、時に趣味の骨董収集から映画鑑賞、詩に文学に建築に昭和歌謡に世相にと、洒脱でそれぞれ起承転結がある作文で、読むのが毎月の楽しみだった。
それら連載をすべてコピーして、手元において何時でも読めるようにしてある。
その中に、2012というナンバーが振られて「爪」という小文があったのを思い出した、という話。勿論、ペギー葉山の「爪」話。
「爪」に続いて山本剛トリオがピアノ演奏する「April in paris(パリの4月)」が掛かった。
これについては次項で書きたい。
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