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その前日に、慌てて経机を拵えた。
この「百か日法要」に合わせ、これまでの古い仏壇の「お参り納め」、そして先月納入した新しい仏壇の「入仏式」もお寺さんにお願いした。
宗派によりこれらを「お精入れ、お精抜き」「御霊(おたましい)入れ、御霊抜き」「性根入れ、性根抜き」又は「開眼供養、閉眼供養」と言うようだが、毛のある若き"おっ様"(浄土真宗)は上記のように呼称した。
なお「おっ様」とはこの地方での僧侶の呼び方で「和尚様(おしょうさま)」の訛と思われる。
当日朝は出社を遅らせた。
玄関を掃き、靴を片付け、近所で花を摘んできて供えて準備を整えて、定刻通り9:30におっ様を迎えた。
娘�´△呂修譴召豎惺四鎮娜爐悄�家に居る息子と我々夫婦がおっ様の後ろに並んで座って手を合わせた。
その読経には津本陽の本にもあった「たとい罪業は深重(じんじゅう)なりとも必ず弥陀如来はすくいましますべし――蓮如上人」があった。
お参り納めの後の古い仏壇に掛かっていた掛軸の阿弥陀如来は、持っていかれた。
我々が見守る中、クルクルっと丸めて。
仏壇屋には、精抜き後の掛軸は木箱に納めて新しい仏壇引出しに入れておくも良しと言われていたのだったが、宗派なのかお寺の手法なのか、将又おっ様の気持ちだったのか。
きっと恐らく「先祖代々持ち続けてきたものだから家に置いておきたい」意志を伝えたら、その意は汲んでもらえたものと思う。
そんな思い有っても手放したのには、私の中にその気持ちが無かったからなのだろう。
過去との決別、父方親族からのとある決別への思い。
それらを引っ括めて、持っていってくんさった。
古い仏壇本体は、また水曜夕刻に仏壇屋に取りに来てもらう段取りになっている。
今朝からは、手を合わす仏壇が変わった。
新しい世代となる。
新しい朝。新しい家族。新しい生活に、新しい登山。
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