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いや、仮称にする意味も無い。
「きりぎりす」である。
日本山岳会青年部が世紀初め頃に発行した山行記録集＋＠である。
12号まで出たものと思う。
今や斯界で名を馳せ活躍する、当時の若手がピチピチと活きのイイ記録を載せまくり、またインタビウ記事あり小説あり女学生キャピ山行の投稿、南会津ラバー榎並氏の連載ありと、そんじょそこいらの山岳雑誌が太刀打ちできないくらいに何かと読みドコロの多いニッチな冊子だった。いや、これぞ王道かもしれない。
ピオレドール受賞の天野和明氏や平出和也氏、日本人初の十四座登頂を成した竹内洋岳氏に信大花谷氏、また面白いところでは京大探検部OB(だったと記憶する)野村勝美氏の大タテガビン南東壁単独や、不動川でバッタリ会った一橋大山岳部OBで白馬主稜や鳥甲山、将又オツルミズまで単身出掛けてしまうチョットチョットの古田茂弁護士の記事は面白い。今井考氏も思えば愛知県が産んだ特筆すべきクライマーだ(もしや愛知の例の場所出身か？)。
�┐謀蟾討凌昂嫉瓩癲�鬼籍に入った一人だ(檜尾岳で滑落死)。誰ぞに連れられて美濃の拙宅に来てくれたことがあって、大学職員になってこれから山登りたい放題なんです、そう言っていたのを思い出す。�い把錨蕕料綾亰脹�榎並氏も、それは惜しい人材だった。
yoneyamaさんの����号の山行記は幾度読み返しても面白い。
��には売れる前の角幡氏のヤルツァンポー記事あり、壁滑りの世界で名を成した東大スキー山岳部の故新井裕己氏も登場し、この冊子ならではの先見性を見出だせる。
編集子の法政OB松原尚之氏と宗像氏の文章は実に練られており毎度読ませた。
個人的に面白かった記事はインタビウで�は妥直觧峪瓩里鉢Ь綯劼旅盒狭�則氏のものだったか。
当時は大変面白く読んだし、また時折私も投稿してもいたので贔屓にしていた。
その投稿文が掲載されたとしても「掲載誌送りません買って下さい」というその”青年らしさ”がまたヨカッタ。
これだけの冊子を年四回？生み出す労力には相当な努力量と時間とが必要とされたと想像する。記録集めてポンと出る程生易しくはないだろう。
編集担当だった宗像氏にとっては出たり戻ったりと色々有ったようだが、今やライターとしてヤマケイ等に時折記事を掲載しているところを見ると、ここでの修練の賜物だろう。
楽しくも読ませる冊子をどうもありがとう。
今にして思うに"あの時代"が産み落とした、得難い産物である。
螽斯、読めなかった。斯は中国語の外国語表記でよく出る「ス」の音でキルギスとかにも使います。
螽は、キリキリと音二つ分、虫の字も二つ。しかも冬には飢えて凍えて蟻に保護されるという故事も思い起こさせる文字です。
きりぎりす一号の表紙（2000年の11月）にはその挿絵もありましたよ。ピッケルを持って死にそうな螽斯が雪山の蟻宅玄関前に倒れている絵。そのうち読みに来てください。
和田城志インタビュー記事は憶えるほど読んで、笑いましたね。
うちには2007冬、19号まであるよ。1〜4までホッチキスとめ、12もホッチキスとめです。
この当時の大学山岳部5、6年目〜若手OB世代といえば、1994年前後に入部の世代と思うのだけれど、北大的にはかつてない部員減少低迷期だったように思います。対してこの頃の本州の山岳部は、それぞれの部は少人数でも都内全部で山岳会青年部として活発に活動し、その後に影響を与える人物の修行時代でしたね。死者も多いけど。死ななかった者は、死んだ者たちの心を運んで前に進む。
ずっとみてくると面白いもの。
きりぎりす最終号の2007年3月（最終ではないかも。巻末に原稿募集！と書いてあります）といえば、ヤマレコができた頃ですね。ヤマレコ待たずとも記録をネットで出す人が増え、会報は無くなったようです。実名での山行記録が当たり前だったのに、実名書くと載せないでくださいなんて言われるようになりました。変な偽名の記録なんて、読む気になりませんでした。他の誰でもない、自分にしかいえない言葉を語るなら、それは自ずと実名になるはずです。
米山様
お引越しの準備は如何でしょうか？
二文字に対する考察ありがとうございました。
えっ！螽斯�街罎泙任△襦�？ 嘘っ！ 調べたら�換愼�の記事もありましたが。
先に書いた「さがみ山友会」会報なんかもそうですが、紙媒体で書架に差してあるのを持ってきて読んで「あぁ、松田さんはこの年コッチの山行にも顔出してるわ」などと立体的に認識していく作業が私の好みでした。が、最近のネットサーフでは情報が羅列としてしか頭に入ってこない嫌いがあるのは私だけかもしれません。
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