7/24は谷崎とも親交の深かった芥川龍之介「河童忌」であると今朝のラヂヲが報じていたことも、深層心理の上で観に出掛けたことと関係しているものと思われる。。
先週は1959年上映作、そして今週が1983年作の上映とあって楽しんだ。実に良いプログラムで、大いに評価したい。
昭和13年、関西のとある旧家四姉妹それぞれの一年間を、三女の縁談話を中心に四季折々の風物を織り交ぜて描いた物語で、登場のその四姉妹を以下に記す。
●長女【鶴子】1959;轟 夕起子、1983;岸 惠子
●次女【幸子】1959;京 マチ子、1983;佐久間良子
●三女【雪子】1959;山本富士子、1983;吉永小百合
●四女【妙子】1959;叶 順子 、1983;古手川祐子
八人の女優さんを並べて物申せば、当時五一歳!特別出演の岸惠子がピカイチだった。
吉永小百合に肩入れしないのは個人的な好みだが、ホンノリと呆けた感じを出すことに成功してはいた。
★『細雪(1959)』
1959年とあって、冒頭よりジャズが掛かる。レコードプレイヤーで四女妙子がレコードまで掛ける。モダンよりもちょっと古めのジャズだ。
コイさん(末娘=妙子)のヤンチャぶりがヨカッタ。
その妊娠、そして死産の扱いあって、三女四女の姉妹愛はこちらの方が熱く感じられた。
妙子といい板倉といい結局カネかぁ(そんな感じはしなかったケド)。長女鶴子に至っては、横領や〜ん!
★『細雪(1983)』
冒頭映される桜は、ソメイヨシノとは違いやしないか?
次女佐久間と長女岸との掛け合いが実に好ましいリズムを生んでいたと思う。
京マチ子の後の佐久間良子とあって当初は違和感があったものの、終劇時には納得の配役だった。
古手川祐子の入浴シーンは悪くなかったものの、これら中に交じると初初しすぎる。三度撮り直したんだと。
見合い相手細川俊之の娘役で仙道敦子(緒形直人の嫁サ)が出ていたが、近所の皐月ちゃんソックリだった。
啓ボンは結局、カネからの呪縛から逃れられなかった。
1983年版のほうが養子二人(伊丹十三に石坂浩二)の存在を上手く活かしていたと感じた。
また、石坂浩二に含みを持たせたラストの脚本は市川崑監督夫人の和田夏十氏によるもので、あんな酒の味を知る人生も経験せずに死んでいくソレよりかはかなりマシなものとみた。
映画『細雪』には他に1950年版というのもあって、四女は鶴子:花井蘭子、幸子:轟夕起子、雪子:山根寿子、妙子:高峰秀子とのこと。
なお、原作は新潮文庫の上中下巻で読めるが極地にでも行かない限り読まないと思う、多分。
この盛夏の時期に「細雪」の上映とはオツでした。センスあるなぁ。
何にしてもロイヤルさん、冷房効かせ過ぎ!!!
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