”チョットな”特集名に危うく立ち読みで済ませかけたものの、mont-bell岳人の心意気に応えて購入した。以下、気付いた点など。
★P.38;ゲキ氏、岳人誌へ進出。
★P.64;YAMAPというスマートフォンアプリの会社若社長の岳人プロファイルで「スマホかよ。お呼びじゃねぇ」と危うく読み飛ばすところだったが、読んで心を改めた。身体感覚を取り戻すための活用なのだという。私が林業に対して持っている思いと重なる部分多くあって感心した。37才、同大出で星野ミッチーばりにアラスカ大へ渡り中退、「風の旅人」に勤めたとある。「風の旅人」は確かユーラシア大陸の辺境地に強みを持った旅行社だったはずで、1995年の旅の途上で何度もその名を聞いたと記憶する。そう、大学現役入学で4年で卒業してすぐに就職したりしちゃイケマセン。道草食ってでも経験さえ積んでいればどうにでも収まる証拠だ。
P.66右下に社内の壁に貼られた「大切にしている言葉たち」があって、ユーリ・ノルシュテインやミッチーに奈良美智、岡潔に混じって彫刻家である舟越桂の言葉がある。
「あの山は、私の中に入る」
★P.76;(株)モンベル社長の真崎文明氏は、登山靴を洗濯機で洗っちゃうところに親しいものを感じる。嫁サに渋い顔されるのもまた同じ。この方の、ざっくばらんとした感じにはこれまでも好ましいものを感じてきた。
★P.90;山岳書クラシックスが折も折、偶然にも読んでいる最中だった加藤保男著「雪煙をめざして」を取り上げているので正直、驚いた。今のクライマーも早熟な、と形容されるものの、加藤においては若くして華々しいタイトルに飾られた真の早熟クライマーだ(った)。文体から察するに、育ち良く(金持ちという言う意味ではなく、恵まれた仲間達の薫陶の意)、極限状態に追い込まれても冷静さを失わず、且つガツガツしたところのない好青年と読めたし、没後語られる人物像についても概ねそのようだったと記憶する。惜しい人を失くしたとも言えるしまた、時代がそれを強いた側面もあるかと思う。今、引き続き文中にも登場する尾崎隆著の中公文庫版「果てしなき山行」を読んでいるところ。
★P.123;山のエッセイ:田中陽希氏はまぁいいとして(尾瀬の景鶴山はどう登る?)かの鈴木英貴氏をおして凄いと言わしめるアレックスオノさんはやはり「ノー ウェイ!」に凄いのだろう。経験上、精神の緊張を持続する困難さをここに記している。「ジャミングがズバズバ決まる」のクダリに笑った。
成瀬氏の作文はかなり抑制(遠慮)を効かせたものになっている。本人の口上は実際にはもっと熱くハードなメッセージのはずだ。
今月は鰻といい、何かと物入りだが、買って読んでみようか。
吉野家鰻丼一杯分!
それより「細雪」観たほうが良いかもしれません。いや既に観てますか。
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