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車を充てがわれた？ 地下足袋も二丁刺しも？ ガソリン入れ放題？ 遠縁の親戚筋に当たるのか？
物静かな感じの青年で、「幾つやな？」「さ、34です」と。私とは一廻り違う。
「今まで何やってきた？」「ひ、引き篭もってました。」
ほう、「ウチの坊主と同じやん」
ウチの坊があと21年引き篭もり続けることを想像してみた。
二十一年！
聞けば、中学卒業後高校へは行かず、そのまま、、、、コホン。
それも私が美濃に暮らして教えていた子供たちが通った中学と同じ学校だった。世代は違っている。
学校も行かず何をやっていたのか問えば「い、インターネット」と。
インターネットって、何するとこ？
測量でちょっと強めに山を引っ張り回してみたら意外にも付いて来られた。ほぉ。
聞けば翌朝は足がバンバンに張ったと。
「よう寝れたやろ」「は、はい。布団に入って目が覚めたら朝で、こんなことは久し振りの事でした。」
測量ごときでも適性はある。
野帳へのデータ書き落としの不正確な者(見直しができない)も居たし、データ取りは良いけど精密機械の扱いが雑でコケて岩に当ててお高い機械をブチ壊した者も居た。
二人組みで一日掛けて５haの測量掛けてきて、システムに採取データ入れてみたら精度低すぎてやり直し〜、で二人工の人件費を無駄にする、とか。
この青年「ゴッサン」はまあまあセンスはある。
先日は渡渉時に川苔で滑って転倒したけれど、機械を庇って濡らさなかった。
データの精度もまずまずだった。
会社にとり、遅れてやってきた者は、早急に高いレベルに到達する必要がある。
伐倒だの何だのと、もっとアレコレ教えてあげられると良かったのだが。
人との出会いの少ない私が、こんな境遇の青年とすれ違うギリギリで会うのも何かの縁なのだろう。
家内も最近その手の縁があったという。
不登校という共通項で結ばれた、息子とゴッサン。
私に何かを学べとのご神託なのだろう。
あと十日弱、頑張ろうや。
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