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送迎の道すがらに、潰れて時間を経た喫茶店がある。
ソレを見るたび「納屋を焼く」を思い起こす。
ハルキムラカミ氏の初期作品に当たるものと思われる、私の好きな短編の一つである。なお「午後の最後の芝生」も私の好む一編である。
放火マニアの話、と言っても差し支えなかろう。ネイビーブルーのブレザーコートを着た無精髭の男。
「エアジン」聴いてビールを飲み、グラスを吸って酩酊して、、、、、、 「時々納屋を焼くんです」
偶然再会して実践したことの確認と、それにともない消えてしまった彼女。
何処にも行き着かないこの話が、私の好むところなのだろう。
デンパタの中にポツネンと建つ件の喫茶店が、放火してくれとばかりに店舗の周囲に枯れた草や枝状(剪定枝)を山積みにして在る。
チョット気の利いた中学生でも、火を点ければ罪のない火事を起こすことも叶う状況である。
今日のようなからっ風が強く吹く日にゃ呆気ないだろう。
『夜の暗闇の中で、僕は時々、焼け落ちてゆく納屋のことを考える。』
そして僕は歳をとりつづけていく。
店を出したい、小屋を作りたい、別荘建てたい、妾をかこいたい、という妄想は楽しいものです。このハイオクの主もきっと夢いっぱいでこのチムニー付き三角屋根を設計し、作り上げたのでしょうね。
商売がうまく行かなかったのか、不慮の災厄でここを後にしたのか、家を片付ける余裕が無かったのは確かですね。山麓や奥山には多くハイオクがあり、そこが夢いっぱいだった頃のことを想像します。
ケリを付け、見送るには着火が一番。いまどきでは騒ぎになってしまって最も厄介かもしれませんが。
ギルバート・グレイプという映画で、主人公がやはり旅に出るために長年住んだ我が家を燃やすシーンが良かったです。
米山様
妄想に想像、「ケリを付け、見送るには着火が一番」は過激にも写る表現です。
ギルバート・グレイブ、20年ちょい前に私も観ました。ディカプリオの出世作だったはず。デップもジュリエット・ルイスも良かった。
この店は30年ぐらい前に女房と入ったことがあります。ちょうどその頃、芥見権現、各務原権現が火事で焼けたことがありました。まだ対面通行だった東海北陸道も通行止めになって、立往生したことを思い出しました。中学生の山での「隠れタバコ」が原因だったそうです。
火は暖かいが時には恐ろしい。
きょうはヤケに寒い。早めに帰って熱燗で温まるのがいいだろう。
マースケ様
今日は実に寒いですね。
えっ、判るんですかココが!
その火事は、私の出身中学裏手が火元とされています。
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