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何となれば、昨日庭木の整理をしたためである。
以前より依頼のあった、お隣さんの旧宅の、である。
北ア山行の余韻冷めやらぬままの身体に鞭打って、いやそんな状態でやってみたかった面もある。久方ぶりに使用のスキーストックの影響で、両腕肩がズシンと重怠いうえに、これまた久方振りのチェーンソー使用で更に重怠い今朝の両腕、である。
県道脇にあるその旧宅は長良川沿いに立地し、竹林が無ければ川の眺めもさぞや、の場所で、ヤマレコの記録でその家を掠めるような位置にもある。
周辺住民に周知だけしてもらい(チェーンソーはまま喧しいので)、8時から出掛けて着手した。
庭木の整理、とはいえ二か所のボサ地をツンツルテンにして欲しいとの依頼で、ツバキだの南天だのアカメガシワだの白樫だのヒイラギだの千両だの木本植物をすべて伐ってしまって欲しいとのことだった。
ここで借りてきたチェーンソーをすぐに始動する愚は避けたい。この手の場所にはレンガだの針金だの隠れたトラップが山とあり、それを知る前にチェーンソーを振り回せば99パーセントは当てて歯を駄目にしてしまう。
まずは鉈鋸で整理をしながらチェーンソーで伐るまでに段取りをするのが流れである。
伐る木といっても高々4m直径20�冂�度の樫である。手鋸ですべてを済ませてみようかと欲も出たが、久し振りの鉈使いで午前には右手がイカレテしまった。
11時半までに鉈鋸で粗々片付けて昼までの30分をチェーンソー使いに当てて休憩とした。
家内は私のことを働くことを好まない山馬鹿のように言うけれど実際、労働は好きである。登山を労働の様に行っている面もある。あの労働を、登山の様に行っていた。そうでない？
休憩時、缶コーヒーに煙草も飲んでみた。ああ、懐かしい。
素晴らしくいい天気で、気温も高く汗をかいた。2月一杯には作業を済ませる約束も果たせた。
その二月末と言うのにもう、春の気配が強い。
3時前にはすべてが済んだ。
作業中もチョクチョク覗きに来ていたその隣のオジさんが去り際にもやってきて「こらキレイになったわ」と言ってくれた。
良い環境にお住まいやね、と私が言えば、何が何が人も離れて山から下りてくる獣が増えて畑もやっとれんわ、と言う。畑はともかく、こんな場所に暮らしたいという人は殊ヤマレコ周辺には多いのではないかと思う。
仕事を済ませて依頼主に連絡し、感謝されるのは悪くない。その返礼に美味しい自家製漬物を頂いた。フラフラだったがそれをアテに安気に呑んで、深く眠った。丁度一週前のシュラカバブルブルおネンネを思いつつ。
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