例の「男はつらいよ」初作が1969年で、その後の男辛シリーズ化の最中に作成された作品で、倍賞千恵子、渥美清が登場する。笠智衆も。
いわゆる民子三部作(1970年の『家族』、1972年の『故郷』、1980年の『遙かなる山の呼び声』)と言われる中の第二作に当たるそうで、『家族』も当劇場で来週に上映されるとのことで、今から楽しみにしてる。
井川比佐志が一徹で海の好きな男を好演している。
石船が積んだ石を一気に海中へ落とすシーンは、林業の「イッパツ」同様に見応えがある。
広島郊外の倉橋島、現在の呉市が舞台とあって、あの重油の匂いがムンムンしそうな船の映像が私には懐かしい。
魚屋の松下さん、渥美清の立ち居振る舞いが家族を上手く浮かび上がらせている。
劇中歌「風の舟歌」が聴かせると思い倍賞?と思いきや、クレジットには加藤登紀子とあって、流石だった。
じいちゃん、笠智衆の元を離れ難くゴネる長女を、無理くり引き剥がして島を去るシーンが見ていて辛かった。
最後の運搬仕事での帰途、
「大きいもんたあ、何を指すんかいのう? 何でわしらは大きいもんに勝てんのかいのう?」
「真面目に働いて、悪い事何にもしてないのに、何でこの島出て行かなきゃならねえのかねえ?」と男泣きする旦那を見守る倍賞がよかった。
勝てないの分かってて、私もやってみようと思う。
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