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10年ほど前、Kさんが横浜在住時に将来を見越して岐阜に購入した雑木山なのだがリタイアした今、そこで遊びに過ごすため度々訪れて小屋を設置したりの環境整備をしているのである。
カンチェンジュンガやナムチャバルワにも遠征している氏は山関係の交流範囲が極めて広く、ヒマラヤに出掛けたこともない私辺りまでその範囲を広げ、山林の知識が多少なりある私に雑木山購入時から相談を持ち掛けていたのだった。
もう一方、私の山岳部先輩のN越さんもお見えで、酒に纏わる伝説を幾つもお持ちのこの方は私が越えようと幾度か試みたものの【三階家屋から酔って墜落してみたり、オートバイで激突してみたり、、、、。】遂に越えられなかった人物である。十年前ほどに今回参加の三人で飲んだ後、名古屋駅の階段から転落して血だらけになって帰宅したエピソードもお持ちである。厳冬期ダウラギリや、ボゴタ峰遠征の経験もお持ちと今回聞いた。
前夜、火を熾し呂律が回らなくなるほど飲んで、晴天の朝には早々と整備が始まった。
私に課せられた仕事は、前夜に昇って見えた月が邪魔をする位置に立つ赤松の伐倒だった。松枯れもしていない、枝の張った樹勢のある4尺程の木を樹間の細い隙間に入れ込もうとしたのだったが、その立派な枝の張りが邪魔をしてあと少しが倒れなかった。大きくもない栂を浴びせ倒して両木を寝かしつけ、何とか役を果たした。
K岡さんは、新規投入した小型ユンボで造成していたところ油圧パイプ接合部に木が当たってオイル漏れが発生し、作業中止と相成った。
午後になり、天気予報通りに雷雲迫って雨が降り出して今回の一連の作業はお開きとなった。また近い内に会おう、と別れた。
寄り道もせずに帰宅し、修学旅行帰りの長女を迎えた。今は風変わりな八ッ橋が幾つもあるようで、そんな面白いお土産を五人で囲んで頂いた。
前夜、火を焚いて呑んで喋って思ったことだが、大きなヒマラヤ遠征経験をして退職し余生を暮らすに当たっての喜びが、山仲間と庭いじりならぬ山いじりで焚いた火を前に昔話を肴に飲む辺りにあるとするならば、私も身体の動く今のうちにやりたい山行、登りたい山だけには登っておこうと意を強くした。あ、やりたい仕事も。
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