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私にとってこのように登山にかまけ、アウトドアな道行きになったキッカケを作ってくれた同級生が実は二人居て、一人が新平君で、もう一人がノムサだった。35年前当時に、未だブーム前だったアウトドア話や野田知佑の話で盛り上がれたのは彼らしかいなかったし、他所に行ってもまず生まれ得なかった奇遇だったろう。何としても、親父さんが岐阜で最先端の人だったから。
つい最近、仕事で再会した新平と近況を話した折に、そのごく近所住まいだったノムサの話になった。新平とこで土地を購入し、とある有名建築Mで箱を建てたとの話だった。
本人から手紙で告白されたと記憶するが、ノムサは大學院を出て某有名通信企業に就職して早くに結婚をしたまでは良かったが、大きな仕事を任された結果、鬱病を発症したという。
いつしか賀状の遣り取りも途絶え、それきりになっていた。
先月、ブックオフという店舗で何とはなしに覗いた旅行書のコーナーにノムサの弟の本を発見した。これは以前、岳人誌で連載されたものの単行本化で、当時もその鮮やかな写真に気の利いた作文を添えて強く印象に残るものだった。
そこの裏表紙に女の子と思しき名前が二つ並んでいた。こ、この山っぽい名前はもしや、、、!
こんなサイン本が9月の末にこの私めに廻ってくる偶然を思うのと同時に、これはもう一度会いなさいという御神託に違いないと思った。
鬱病の本人にいきなり会いに行くのも何なので、近所在の親父さんとこのチャイムを(先刻読了して)鳴らした。嗚呼、この方と会うのは何十年振りだろう。また、こういう人との再会は何と心楽しいのだらう。新聞テレビにも一時良く登場した方である。会って、随分とお年を召されたことを感じた。
唐突に現れた珍客にも過度の警戒をすることもなく、御子息の近況を伝えて下さった。
「直接会いに行っても対面してくれなかったと思いますヨ。」と。
何でも会おうとしたノムサは最近、トレランに執心しているそうで、プッくりとした往時の姿が随分と痩せていることを想像した。鬱とトレラン。
改めて、怪しいものではござんせんと、名刺を渡してmacchan90というものが現れたことだけをやんわりとお伝え願います、とその場を辞した。お宅のお陰で、私もこんな地平にまで到達することができたことを御礼と共にお伝えして。
人生に於いて、こんな暇乞いの機会をあと幾度重ねるのだらう。良いなぁ。
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