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電話でのアポイントを採ったのが先週の金曜で、出張中だとのことで会えたのは今週木曜夕刻だった。
HP掲載の写真でどれ位の規模、どれくらいのレベルなのかは知った気で伺ったのだったが、、、。
親父の勤続した会社の近くで且つ、母が癌宣告を受けた県病院傍だったこともあって、因縁めいたものを感じて出掛けた。
Ｓさん、歳は私よりひと回り下の37歳という。極めて穏やかに、好意的に対応呉れた。
特殊伐採の世界に生きるだけに、林政については不明だったが、私の知る林業関係者は言うに及ばず、一人親方として各地で踏ん張る林業関係者についての情報を極めて広く、また深く持っていた。私の極近所のアノ人物にまで発言が及ぶに至って、この世界の狭さを知る以上にこの方の横の繋がりの強さを知った。
幼子を三人持ち、奥さんとそのお子達が纏わりつく中での対談だったが、その風貌といいダウンジャケットの色といい、佐藤裕介君そっくりの落ち着き払った物腰に只ならぬ感じを受けた。
聞けば林業への取っ掛かりは緑の雇用と聞いたが、50年生程度のスギヒノキ森林組合周辺間伐作業では到底身に着けようもない特殊伐採の技術、果たしてどうやって得たのか？
聞けばあの特殊伐採の世界では著名な和氣 邁(わき・すぐる)氏とも仕事を共にしたことがあるという。あの、ワキ氏と！
「出会いに関しては運が良かったのだと思います。」と言う。
栃木の日光東照宮での社叢林の特殊伐採で、和気氏を棟梁に作業したといいそんな写真も拝見した。加えてその和気氏が作業中に墜死したことも教わった。知らなかった。
聞けばこれまで重篤な労災にも被災したことが無いという。自慢じゃないけれど、私も林業界では数少ない労災無被災男であるが、あれ程配慮を多々要求され手数の多い高所作業で無傷というのはその適性が高いことを如実に示している。
「居たよ【高橋源一郎】」林業界にも。それも岐阜に。
佐藤君や大西君と比較するに土俵は違うけれど、この若さであれ程の大木に対峙して気後れしない感じの人物は、そうは居まい。
私とて九尺三寸の大径の大杉を伐ったことがあるのだが、彼のはまた一レベル高い。
一丈周りを遥か越え、且つそれが御神木だったりもする。
大西君のレベル同様に到達できたのかもしれない世界だけれど、たぶん私には胆力が足りなかったことと思う。
彼は残るだろう。死にさえしなければ。
お陰で気持ち良くスッパリと、この世界には諦めがついた。
エ、諦めでござるか。
最近、特殊伐採というのかな、山から馬を使って運び出す人たちに会いました。道も重機も使わず。植林した60年前の時代の方法で、ということで。
ユースケ、リョージ様の木こり版をイマジンしてみました。
人の人生なんて、短いものだね。
それは「馬搬」という木材搬出方法です。東北地方にもその伝統法を継続する若者が居ることを本で読みました。
短い人生の中ですべきことが何なのか、家庭に悩みながら考えるここ毎日です。
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