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物語が展開する中で、あらかじめ犯人が誰であるかを伝えた上で、その様な成り行きになった、ならざるを得なかった理由が明らかにされてゆく。東北、山陰の夏の風景が心地好く、雲を被った大山も背景にあった。
被害者は「鬼畜」に引き続き緒形拳で、丹波哲郎の好演は言うまでも無く、加藤嘉が印象を残した。
加藤と旅を共にした子役の少年が森泉の妹、森星(ホシと書いて「ひかり」と読ませるかよ!)にソックリと言ったら叱られようか。
島田陽子から足がつく点が展開に於いて些かキツくもあるけれど、そんな瑕疵を差し引いても見応えのある作品であり、清張作品の中でも著名作であることは大いに理解できる。
本作品の肝ともなる「宿命」の作曲に菅野光亮が当たっている。
◆菅野光亮(かんの みつあき、1939年7月10日 - 1983年8月15日)は東京芸術大学音楽学部作曲科卒業の作曲家、ジャズピアニスト。野本晴美氏の先輩に当たる。
この映画の柱ともいえる「運命」ならぬ「宿命」というオーケストラ演奏の作曲の重責はかなりのものだったに違いない。菅野氏のジャズ作品は未だに入手が困難で未聴。
本年6月18日、胆嚢がんにて80歳で亡くなった主役の加藤剛は、今夏にロイヤル劇場にて追悼上映があり主演作品「影の車」「新・喜びも悲しみも幾年月」が上映されたが、本作でも良かったのではと思わせる露出好演振りであった。
今年観たのは古い邦画ばかりの一年だった。
大晦日とはいえ眠いので、カウントダウンも見届けずに寝よう。
では皆さん、よい年をお迎え下さい。
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