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先週が「小説 吉田学校」、今週今日が「金環蝕」だった。政治本好きの岳父と観たいものであった。
この私にこれら政治映画を解説する能も感想を申し述べる能も無いので、ここではあくまで気になった点を述べるに留めたい。
節分の今日、御神木であったモチノキを焚いて次女と共に幾つかの神社御札を開封後にお焚き上げてから、大垣市に用事ある家内に道すがら長良橋北で降ろしてもらい、そこから歩いて柳ケ瀬まで。序でに参るものでもないけれど、昨年も詣でた伊奈波神社手前の善光寺節分会に立ち寄って手を合わせ、ロイヤル劇場10時の回に間に合わせた。
先週の「小説 吉田学校」に続いて今週の「金環蝕」も、共に出演者の喫煙シーンが凄い。今では考えられない程のモクモクモウモウ振りである。最近は山でも大学でも街頭でも、モクを吸う人はホント居なくなった。その反動で天邪鬼な私なんぞ禁煙していたのにまた吸い始めてしまったアルヨ。
映画を鑑賞中に思い出したのが、かつて台湾滞在中に黄妄想氏(仮名)宅にて食客を決め込んでいた際に、とある政治団体、というよりも政治活動をしている団体の中に何の前触れもなく放り込まれて、その騒がしい世界に辟易した覚えがある。その時に思ったのは、未だこの国では政治も人生に於けるイベントの一環であるという体感だった。一擁立候補を応援し、選挙で当選させるのその過程を、ゲームも娯楽もスポーツも嗜まない人達が熱く応援活動して大いに盛り上げる。金や酒や時に女までも絡んで、独特な汗を腋にかきつつ。
半面、娯楽同様に金銭面での実生活に不足無い政治家や公的役職に就く21世紀人達には、今やここまでガツガツと利権に執着する心理も働かないのかもしれなく、それ以上に倫理的な清廉潔白さを求めることのできる時代なのかもしれない。二重謙譲語蔓延るこれを果たして豊かな時代と言うのだらうか。私個人としてはギラギラギトギトとした人生を送りたい想いであり、漂白された人生なぞ真っ平御免である。
■「小説 吉田学校」の主役、森繁久彌は実に適任だった。議事堂内と、大磯の砂浜の対比が実に良かった。あ、夏目雅子もね。岐阜の大物大野伴睦(ともちか)氏も登場した。日本の講和独立を果たした後の話が些かくどかった。こちらの撮影は、過日観たばかりの「八甲田山」と同じく木村大作、音楽は芥川也寸志。
◆「金環蝕」原作は「青春の蹉跌」の石川達三である。読んだことないけれど。監督はあの「白い巨塔」の山本薩夫。ヌメヌメとした高級官僚仲代達也と、前科四犯成り上がりの寺尾聡父との対比が大いなる見せ場で、その結末たるや、、、、政治はいや、正義は敗北した。高橋悦司は「青春の門 自立篇（1977年）」でいしだあゆみと自殺未遂する役や「小説 吉田学校」池田勇人役同様に、この映画でも存在感を見せたが最期には義弟・欣二郎(峰岸徹)に刺殺されてしまう。汚職に抗する三国連太郎扮する神谷直吉があっさりと変節する様が唯一、合点の行かない点であったか。劇中核心部で、ベースのボウイング奏法が効果的に使われていた。金融王、石原参吉が神谷に対し「戦後混乱期は実に面白かったナ」と述懐するシーンがあるが、あれは金銭欲や名誉欲、性欲等の我欲が努力に応じて報われることを言っているのだろう、か。21世紀を生きる市井人には理解の及ばぬ世界やも知れぬ。
九頭竜川ダムに、こんな汚職事件が背景としてあったとするなら、今後目にする湖面は果たして何色に映るのだらうか。
大垣からの家内と図書館で合流し帰宅、便所掃除したり恵方巻の準備したり豆カレー食べたり薪割したりで、家内次女が椅子を買いに出掛けて出払った暖かく静かな室内でレコードを二枚聴いた。
�，蓮⊃綮債�の補助調査員時代にペルーはリマ街頭の路上で購入した懐かしいレコードである【ROLF ERICSON AND HIS ALL AMERICAN STARS】。奇しくも金環蝕と似たジャケである。とある有名ディスコグラフィ本からも外れて「others」に載っているレコードだが、ピアニストDuke Jordanを語るには外せない一枚ではなかろうか。ハッとするほどのピアノソロではないかもしれないけれど、メドレーにおけるイントロは中々に聴かせます。
�△論痢�確か新宿で安く見つけて購入した【Harry Locksky/Stringsville】。ドラマーにエルビン・ジョーンズのクレジットがあることで知っている人には知られたディスクだが、私の耳は常にピアノの兄ハンク・ジョーンズに吸い寄せられる。
足浴の来客があって、恵方巻食べて節分を無事に終えた。
明日は立春である。その翌日は関係ないけど新月である。
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