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本作で芥川賞を受賞した金原ひとみ(受賞時二十歳)の原作本は、丁度一年前の今頃の、厳冬期鷲羽岳登頂に向けて松本行の高速バスに乗り込んだ際に読んだ。きっと、その直後の山行にも影響を与えたと思える読後感だった（痛みに耐えての登頂？）。 同時受賞作である綿矢りさ『蹴りたい背中』とは訳が違う。
主演が吉高由里子で、アマに高良健吾、彫師シバにARATAとあった。監督は金原氏の要望あって蜷川幸雄であり、その傘下である藤原竜也氏も暴力団員として登場あったがアマにあっけなく殴り殺された。
結末を知って観ていた為に落ち着いたものだったが、行く末知らずで観ていたらば一体どんな感想を持ったことだろう。ヒヤリとした衝撃のソレだったろうと思う。
弱冠二十歳(19？)での裸身をも厭わぬ頑張り様は伝わったのだったけれど、ついぞ最後まで主役の吉高氏に対する違和感が拭えなかった。どうにも影の無いキレイ子ちゃん過ぎるのだ。誰が主役を張れば適任だったのか？ 有村架純でも広瀬すずでもなく、ましてや長澤まさみでもなく。時代が時代なら、沖山秀子か？
終劇しエンドロールが始まって、主題歌「きえる」が流れてその声にドンピシャ感を得たところ、Charaだった。主役も、若かりし頃のチャラ氏ならかなり嵌ったのかもしれない。金原氏と同傾向のお顔立ちでもあることだし。いつ聴いても彼女の声や歌はいい。最近、チャラのカバーする銀色夏生の名曲「そして僕は途方に暮れる」を聴いたばかりだった。何をおいても声に才能がある。
ARATA氏の存在感目立つ映画だったが、そのアラタ氏とは何者？と調べてみたら何のことは無い井浦新(あらた)氏のことで、昨秋サバイバル服部ブンショ―氏とNHKで対談していたあの爽やか御仁だった（テレビの無い私はわざわざ居酒屋まで観に出掛けた）。アレがコレかと思うとかなりの驚き様だった。芥川賞狙いのブンショ―氏もちゃんと知っての対談だったか？
ARATA氏は映画「ピンポン」にも登場ときき、今回の雰囲気から「あのスキンヘッド？」と思ってみたものの、ピンポンのスキンヘッドは中村獅童だった。
原作本の巻末解説を書いていたのが確か村上龍氏で、氏が芥川賞選考で本作を強く推した話があったと記憶する(石原慎太郎氏はそうでもなかったそうで)。村上氏の芥川賞受賞作「限りなく透明に近いブルー」(原題；栗と栗鼠にバターを)を、昨年の「蛇ピ」読了後の鷲羽岳下山後に再読したものだったがトレスポ同様に、その内容は私の中で銀河の彼方に忘却されていた。しかしそこから私は、未来を見据えた退廃的な「饐えた臭い」を共に嗅いだ気がする。
そして、それら作品から発せられる未来へのメッセージは、、、、、ない（と思う）。
「蛇とピアス」、思わず「あ〜コインロッカー・ベイビーズだわなぁ」と思いました。今の私には若すぎる
同じ暴力的な芥川賞だと「共喰い」の方が私は読めました。趣味の悪い見世物小屋を覗いているみたいな話でしたが。
井浦新はスマイルでしたね〜
「わかるだろMr.月本、キミが球を追うんじゃない、球がキミを追うんだ」
松本大洋の「Sunny」、結構いいですよ〜
アイス三昧カメヒバ様。
『蛇ピ』は「限りなく〜」ではなくて「コイベビ」でしたかぁ(読んだのは30年前で記憶にございません)。二十歳であれを書くとは老成し過ぎです、金原ひとみ。彼女は小4で既に不登校児だったそうで、そこだけはウチの坊主と同じです。私も「共喰い」読みましたが、蛇ピ程には肌合いヨロシカラズでした。サニーの前にピンポンから始めます。笑わないからスマイル、でしたっけ。
こんばんは、
前に見た事あるのですが、
吉高の脱ぎっぷりが凄い事しか覚えていません。
似合わない茶髪のせいか色気も感じませんでした。
ただ脱いでるだけ。
花子とアンを見たばかりだったせいかも知れません。
映画好きで、鉄男 とか、ブレードランナーとか
ドラゴンタトゥーとか退廃的なヤツが
何しろ好きなのですが‥
ヤスポン様
コメントありがとうございます。綺麗なだけに吉高氏が浮いてどうにも印象に残らなかったその反動で、私などタトゥーやアラタ氏に目が行ってしまいました。
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