ティム・オブライエン著「戦争の本当の話をしよう」を読んだ。
そのそもこの本は、服部ブンショウ氏が青少年向けに編集された『ほかの誰も薦めなかったとしても今のうちに読んでおくべきだと思う本を紹介します。(14歳の世渡り術)』に推薦本として挙げていたものであり、氏が自著を書く際に手本とした本でもあるそうだ。ティム・オブライエンの表現力と表現法、そして春樹村上氏の巧みな翻訳表現とを。尚、同書にはAKIRA氏の本の掲載もあった(コットン100%だったか?)。
この本の読み始めが4月下旬の熊野行往路ワイドビュー南紀車中で、その後は間伐作業の昼休みにチョビチョビと読み進め、酒を飲まない夜にまたチビチビと。昨夕、ようやく読了した。
先週末お会いしたガオ氏も勿論読んだことがあると仰った。
印象に残ったのは「レイニー河で」「ソン・チャボンの恋人」の章。
戦争体験を語るのはそれこそデリケートな部分も含んでいるために表現することは想像以上の難しさを含んでいると思うけれど、所属小隊に起こった出来事を淡々と書き連ねることによって戦争という人間による行為を逆に強く浮き彫りにすることに成功している。同時にまた、読者に考える余地をも与えている。
登山なぞに入れ上げている自分を思うと、戦争体験を積むこととの比較をついついしてしまう。
「それ(戦争)ははらわたの直観にずしりと来るものなのだ。【P.130】」「ハードな闇【P.123】」「やわらかな暗黒の原形質【P.354】」「人の人生というのはひとつのまったきものである【P.376】」等々。
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