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大阪わらじの会々報「溯行」と一緒に頂いてきた「岳人」のバックナンバーを読む。
昨日日中は35℃越え室温でのマンガ、いやガマンの読書だったが今日は雨雲が福井方面から立ち寄ってくれたお陰で涼やかな午前である。
T氏のお宅には雑誌をはじめとして結構な量の古書が並んでいたが、漁ったそれら中から選んだのは沢登りに関するものとして「溯行」8冊と岳人誌4冊だった。縛りを掛けないと際限が無かったので。「溯行」については既に書いた。
https://www.yamareco.com/modules/diary/1946-detail-216894
岳人誌は��266(1969)、314(1973)、326(1974)、363(1977)の4冊。
◆266；特集は「黒部とその周辺」。存命中の冠松次郎(1970年没)、深田久弥(1971年没)両氏の文がある。上田哲農の連載もありまさに“時代”である。今や翻訳家・海津正彦氏の奥鐘山や、黒部別山東面(大タテガビンを含む)といった壁はいいとして、黒薙川の両沢、嘉々堂谷、猫又谷、そして祖父・祖母谷の関西大学探検部の遡行記録がある。余録？に皇海山北面の湯ノ沢流域研究なんてものがあって私には大変ウレシイ。こういうのがかつての岳人誌の底力だと思う（今ではとても考えられない）。日本山岳会東海支部のマカルー東南稜偵察記事があるが、原真氏の名前が出てこないのが？である。
◆314；特集は「黒部渓谷」。とはいえ、沢登りの記録は黒檜山岳会とアルパインクラブ・ケルンのモノのみで、漏斗谷、恵振谷が貴重だ。以前泊めて頂いたことのある太田五雄氏の屋久島地域研究アリ。表紙は辻まこと。
【尚、かつての志水哲也氏が黒部川全沢トレースを志した際に上記266号と共に本号の記録は大いに参考にされたことと思う。何せ黒部の支流群の記録は極めて少なかったのだから。これら貴重な記録の入手先は、神保町・悠久堂か、もしくは魚津岳友会の書庫から借りたものだらう。これらオドロオドロシイ記録を読んで単身出掛けた当時若干21,2の氏の勇気は実に素晴らしい。】
◆326；特集は「沢登り」。「溯行」9号にもあった棒小屋沢の記録掲載あり。今でも記録の殆ど無い大スバリ・小スバリ沢の遡下降記録がある（三浦大氏はこれを読んで出掛けたはず）。前314号共に「さかいや」の広告に黒田"ゴルジュ"薫画伯のイラストあり。これまた表紙は辻一。
◆363；特集「渓谷登攀」。最近、滝登り一派がごく一部で増えているようだが(ゴルジュ派は未だ寡聞にしてきかない)、一読を勧めたい。読めば感じるところ多いのではないかと思う。ここになぜ黒田氏の登場が無いか？
大西良治氏にインタビウした際、大畑氏にお持ち頂いた本号を、当時私はコピーでしか持っていなかった。実に、あるところには在るものである。
昨日中立ち読んだ岳人誌最新号と比べるのは気の毒であるが、何にせよ昔のモノは作りの堅牢なものが多かった。
なお「ガンガラシバナの大滝」という名称をキチンと採用呉れている文祥氏(氏はフリーソロしている)には感謝？したい【岳人誌714号P.142参照】。
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