今回は伐倒手ではなく伐採補助なので、安気なものだった。指図を受けて、その通りに動くだけで仕事になるのだから。だが、それ以上の働きはしたつもりではある。というのも、、、、、。
伐倒依頼の木は、黒松に赤松、楠に、ユーカリだった。
ユーカリの木は初めて見た。ゴルフ場というのは生育環境に大変適しているらしく、黒松も40年生で七尺程ある大径木へと育っていた。目粗で、二酸化炭素吸収能に極めて長けているのが知れたが、地力を収奪しているとも言える。
今回の伐倒手は、以前にも一度手伝ったことがある。社内では特殊伐採を頼める数少ない相手であり、言葉少なで仕事が早く、一人で仕事をこなすために「Nさに任しておけば万事大丈夫」という雰囲気が色濃くある。伐れない木はNさの仕事、伐らずに置いて(残して)おけばいい、という空気が出来上がっている。
しかし、一回目で判ったのだがN氏の伐倒はかなり、、、、、、お粗末なのである。幹をベシ折るのは当たり前、伐った後の切り株を見れば仕事の内容が知れてしまう程の汚さなのである。ユニックの牽引力頼みの強引な作業で、加えて空師ばりの軽業で、扱う木もデカいために見た目は一々ソレらしい。何も知らない人が見れば「素晴らしく仕事のできる、格好イイ男」である。
近年亡くなった、とある熊本の林業家の言葉に「今の若者は何故「なぜ?」を考えない?」というものがあったが、年若くない人達の中にも居る、安くない牽引具をブチ壊すような失敗をしておきながら同じ失敗を何故にああも繰り返すのか? 伐倒時に元株を外してしまうような受け口になっているからトラックが激しく動揺するような事態になっていることに何故気が付かないのだろう? 余所の公園(同じ各務原で、だ)でも同じ事例でフェンスを壊す失敗をしたばかりだというのに(と、本人が話すのを聞いた)。
ヒマラヤの栗城氏の事例を挙げるまでもなく、世間の不見識を逆手にとって優位な立場をとるという不可思議な現象がこの二十一世紀においても各分野で散見されて、首を捻る機会が多々ある。デカい面こそしていないので腹も立たぬが、大事を起こさない内に私が「首に鈴をつけ」なければならないのか。その前に本人が気付いて欲しい。もう、いい歳なんだから。
山登りの世界でも林業界でも「登山っぽい」「林業みたいな」作業、記録や言動をかなりの数、見掛ける。
「何故山に登るのか」の自問もなく、ただ楽しいから登る。ルートの歴史や過去の登山家の経歴や発言等々、知っておいて損のない事実の数々。知っておいた方が、自らの登山に厚みも出よう。なぜ山に登るのか。
「何故木が割れてしまったのか」や怪我の失敗から学ぶ姿勢もなく「ま、いっか」で済ます。「今回は運が悪かっただけ」と。
失敗コいたら年長者に聞くか、帰宅してから本(やネット?)で調べてその原因を必ず潰しておく。いや、それ以前に林業従事者の林業知識の無さには驚くべき実態がある。薄っぺらな自称・林業家。
言い添えておけば、特伐(特殊伐採)は林業ではない。
「デスゾーン」という本は、栗城氏だけが悪いのではなく、見識を一向に高めようとせずに持ち上げた世間にも非があると伝えた本だったはずだ。一方登山家、アルピニストを自称する向きには、、、、、、一登山愛好家である私なんぞが言うまでもない。
「無知は罪である」と仏教の言葉にもあるそうな。
こんなご時世であるからこそ、考えることを楽しみたい。本を読んで知識を増やし、知恵へと繋げたい。プロならミスは許されない。
無知は罪である。
macchan90さん、こんにちわ。
職人さんあるあるですね。
曰く、声の高いやつが勝つ。
みたいな。
少し考えて、システマチックに
やれば、簡単かつスマートに
仕上がるのに、
何故か、ワザワザトラブルを起こして、
俺がいないと解決できない風に
持ってく人はどこの業界にもいますね。
( ̄∇ ̄)
ヤマネ様
タイトルが抜けていました。鞭いや、ムチ、でもなく無知と。
わざわざトラブルを発生させるほど手が込んでいる訳でも、俺がオレガの暑苦しさもありません。ただ、伝統的に継がれた技を受けておらず、基本が抜け落ちてしまっているのです。人材不足の表れとも思います。
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