火を熾す、良い言葉だ。人類が火を手に入れて以来、絶えることなく継続してきた営みだ。それや煙草文化に比べたら、スマホ(の文化?)なんて鼻糞みたいなもんだ。
林業というアウトドアな仕事ゆえに、今どきの朝には火を熾す(焚く)ことは我々にとって必須事項である。火のないところに仕事は立たぬ。何せ、寒くて寒くて仕様がない。今日日の現場では、火災予防を楯にして火を焚くことを禁じている事業体もあると聞く。火の扱いや管理ができないために火を出して、山火事を熾されてはいや、起こされてはカナワンということだろう。ただ、これでは文化が子供のものに成り下がる。火事を起こさないように最大限の注意を払うのは勿論だが、焚火を禁止されたら私はこの仕事を辞めてしまうだらう。
で、現場に着いたらイの一番に火を焚くのだが、林業従事者にして私の周りの皆さんこれが実に下手なのだ。なんでそんなにも扱いが雑なのだろう。杉葉も新聞紙もある、チェーンソーがあって、腰に鉈を下げ、混合ガソリンや潤滑オイル(やライター)まで手にして道具は揃っている、揃い過ぎているというのに。ガソリン無駄にぶっ掛けて、それでも焚火は熾らない。
昔は山仕事の初歩として、中卒の坊はまずは火焚きから始めたものという。火を焚いて、ヤカンでお湯を沸かして茶を淹れて皆に給仕し、ようやく仕事が始まったそうだ。火焚きを覚えて、木の種類や性質についても知るきっかけとなる。クリははぜる、松は黒煙が出る、欅はヨキで割りにくい。最近は年長者の仕事なのか、私が指導員ならまずはそこから指導する、と思う。私が指導する時代なぞは、まず来まいが。
火を焚く際の、一番の勘どころは何か? それは乾いた木を手にできるかに掛かっている。いかな上手な人でも、乾いていない(ましてや濡れた木で)火を熾すのはかなり難しい。乾いた焚き付けと枯れ木を探し出してくるのが肝である。
【かつて、南アのミツクチ谷源頭部の平流部での焚火がこれまでの最難火熾だった。何せ、標高のある沢の源頭の薪は乾いていないもので、芯まで湿気ていた。焚火名人・成瀬氏にして煽いで煽いで煽ぎまくってようやく日没後に火が熾きた程の高難度であった。】
IT化だのAIだのと時代は進んでも、火熾しだけは時代と関係なく必要なスキルだろう。何せコンピュータなんぞとは歴史の厚みが違う。被災して、火も熾せないでは家長の面目も保てまい。コンピュータよりもカンピュータ?
火熾しができない上に、何故こうも人のアドヴァイスを聞けないのだろう。竹は火点けに使えるとはいっても、生の竹はアカンというのにボンボン投入して火を消してしまう。枯れた竹を使いなさいと伝えているのに。枯れ木にしても、丸太のままより割った方が火付きはイイよと言うのに。私に言われるのがそんなに嫌か。隣の人間が何に腐心して行動しているか、ちゃんと見てねぇと。猫ですら見てるだぁよ。
指導員の班長ともそんな話をよくするのだが、効率的に進めたい話はまだしも危険が及ぶ行為に対してやってはいけないと伝えたことが、部下に殆ど聞き入れられない。これでは教える立場としてやる気をなくすのは当然だろう。それで怪我をする、労災を熾す(いや、起こす)。
やれ教え方が悪いだの、相手の意見を尊重しろ話し合いの場を持って欲しい、封建的だ、褒めて育てろだのと今の時代はいう。
使った包丁は元の位置に戻せだの、付けた灯りは消せだの、借りたDVDは期限内に返却せよだのと、言わなきゃ判らんか? あーだこーだ指図を受けたくないならば、注意を素直に受け止めて積極的に再発防止するか意欲的自発的に先を読んで行動するしかないやん。それを、それを、、、、、。あ、話が逸れた。
あぁもう、面倒くさい。
すんません 返却期限過ぎてました…
延滞料金発生が、問題なのではないのデス。お金はいいんです。
灯り消し忘れました💦
すいません
、、DVDはまだ期限内✌
期限内なのはわかっとる。問題は金、、、、、、、、、、、、、ぢゃない。ハートぢゃっ。
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