その映画とは深作欣二監督作品「資金源強奪(1975)」である。「動脈列島」と同年作だった(知らなかったが「ふかさくきんじ」にとって、どうやら敵対心アリアリの作品だったようだ)。
過去に上映された幾つかの作品の要素を盛り込んだ展開との話もあるが、きっちりと自家薬籠中にした上で練り込んだ脚本になっており見応えは十分だった。目まぐるしく展開する後半部が時間の経過を忘れさすほどで、あっという間の92分だった。
主演を張る北大路欣也は「アラスカ物語」以来で、実にいい男役である。惚れない女はいないのでは? キムタクも色を失うかもしれないヨカニセである。その情婦役に太地喜和子、「白い巨塔(田宮二郎主演の方。)」でも感じたが何故にこの人か?と思いつつも納得もさせられる不思議な立ち位置のヒトである。川谷拓三も好演、それもかなりの演技と見た。悪役に安部徹、天津敏、名和宏と見慣れたお方たちが登場するのも一興。
ラストでコケるコケティッシュな太地氏だが、結局のところ状況に応じて身の振りを変える尻軽女として描かれているのか? 金や我が身を第一と、海外に発ってしまう北大路に対してもちょっと待ったぁ〜、と脚本家に言いたかった。真実の愛をあの場で描いてみても良かったのではと思う。ブローチの姫が救いにはなったが。
ちょこちょこっと登場の若き女性たちが魅力的に感じた。梅宮の彼女だとか、件のブローチの姫だとか、拓三のナンパ女とか。小泉洋子か渡辺やよいか芹明香のどれかなのだが調べても判然としない。
尚どーでもいい話だが、開演すぐの出演者等を伝えるロールの字体が最高にイカシテいる、カッコイイ。私もあんな字が書けたらどんなに気持ちのイイことだろう。「松」の字とか、「監督 ふかさくきんじ」だとか。
傑作とまでは言えないが、邦画においては見るべき価値のある作品とは言える。「新幹線大爆破」には勝り「動脈列島」よりかは少々格落ち、といったら叱られるだろうか? 誰に? 深作氏に?
映画前にナマステグルでダールカレーを食べ、高島屋で最終日の「春の北海道展」に運良く当たって、六花亭や石屋製菓の菓子を土産に持ち帰り、風邪をひいているというのにソフトクリームまで頂いた。甘過ぎず、牛乳本来の大変好ましい味のソレで、危うく映画鑑賞後にも食べに行きかけた、それほどに美味しいものだった。もう二度とは出会えまい。図書館で岳人誌を読み(ああっ!)、帰宅した。
水曜今朝、風邪は抜けず動けず結局、仕事を休んだ。
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