|
|
|
それ故に、折角の溝口健二特集をするロイヤル劇場に出掛けられずにいて、先週の(通常は一週限定の)「噂の女(1954)」を見逃してしまった、と思い込んでいた。
ようやく訪れた週末連休、パート�◆峩畩省�語(1954)」でも、と劇場HPを見てみれば、何としたことか今週末に限って「噂」と「近松」作品を交互に上映するとある。見逃したと思っていた「噂」が観られてラッキーと、オッカの出勤に乗じて柳ヶ瀬まで、10時の回に間に合った。ロイヤルにしては意外な程の客の入りだったが、30名程か。
田中絹代に久我美子の「噂の女」を観終わって折角の機会だ、二本立てで観てしまおうと受付に追加料金を払いに行くと、今日明日に限って一回分の料金で二本観られるのだと。何とも粋なお取り計らいで。益々好きになったよ、ロイヤル劇場。
「噂の女」は一人の男をめぐる、母子のお話。(楢山節考は別で)田中絹代の良さが今一つ判らない私は、ついつい美形の久我”ヘプバーン”美子に感情移入してしまうところだったが、ラストでは共に若いツバメを追っ払う。
続けて観た同年制作の「近松物語」には「噂」に登場の俳優が何人も登場した。存在感ある進藤栄太郎に浪花千栄子。恐らくセットも同じものを使っている。近松門左衛門の原作を川口松太郎が劇化した溝口作品で、撮影は名手と言われる宮川一夫。
何と言えばいいのか、思いっきりハートを鷲掴みされる作品だった。映画ファンにとっては言わずもがなの傑作、だったか。展開の流れるさまが自然にして緻密。入水自殺寸前、今わの際の茂兵衛の告白を境にして物語が明転、再び駆動していく様にぞくりとした。帰途、バスに乗ってビール呑んでも珍萬で溝ラーメンいや、味噌ラーメン食べてても気もそぞろだった。親父〜ィ、ビール！
尚、金の無心の原因を生んだおさん兄の店は「岐阜屋」だった。
「雨月物語」は未見だが、こちらも凄いのかもしれない。
先週木曜の毎日新聞に、芥川賞作家である諏訪哲史氏が日本映画15傑を選んで掲載していたが、15作に溝口作品は入れられなかったとあった。？ 小津作品「浮草」で宮川一夫を天才カメラマンと評してはある。
思えば溝口健二監督作品を観たのは初めてだったか。お恥ずかしい。
【追記】；昨晩放映の陸上日本選手権男子100ｍ決勝、多田修平優勝にもかなりゾクリときた。何度見直してもイイ。流石はボルトに50mは勝った男だ。極めてレベルの高い選手権だった。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する