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ただ、以前から厳冬期の宮之浦岳には登ってみたいものだと興味津々だったので、面白く観た。
毎日新聞朝刊8/25の「余禄」には、めまい(イリンクス)をはじめとする人間の『遊び』の類型についての引用があった。
思想家・カイヨワによるその分類された類型には、
�．▲乾鵝�優劣を争う競争
�▲▲譽◆�賭けやくじなどの偶然
��ミミクリ；〇〇ごっこや仮装などの模倣
�ぅぅ螢鵐�ス；体の落下や回転による感覚の混乱(→めまい)を楽しむ遊び
の4つがあるという。
クルクル眩暈遊びの快感�い砲弔い討漏里�、中島らもが著書「アマニタパンセリナ」に書いていたと記憶する。日本縦断徒歩旅行で拙宅に立ち寄った際に山岳部同期の石崎が置いていった本だったが、石崎の野郎もらも氏程ではないにせよオカシナ男だった。
昨日、その�い鮗尊櫃紡隆兇垢覽＿颪�あった。橋の欄干から川への飛び込みである。
今年の梅雨は長かった割に降水量が左程のこともなく、出梅後の黒部五郎岳からの帰りに通りかかった郡上八幡の吉田川は飛び込むに十分な水を流してはいなかった。近所の長良川も「日本最後の清流」と呼称するにはちっと小恥ずかしい汚れ具合で（主に川苔）、泳ぎに行く気も起きない有様だった。
で、この8月の停滞前線による出水で郡上八幡吉田川も近所の長良川もすっかりと綺麗に掃除され（一昨日に次女と泳ぎに行った）、水量も十分だろうと昨日出掛けたのだった。
今年目標としていた黒部川支流東沢谷二ノ沢遡行が叶わなかった反動もあって、もう一つの目標だった「飛び込み」は叶えておきたい。昨日は平日で観光客やギャラリーも少なかろうとの見込みもあった。そのギャラリーは家内と次女のみ。
予想の通り、見下ろす12m下の水面は水量は充分ながら、その高さはちょっと恐怖を覚えるものであった。欄干を乗り越えていざ、飛び込む態勢に入ると躊躇する心が生じた。え〜っ、ホント飛び込むの？ 俺？
次女と家内の方を見遣れば動画撮影に余念ない。水はこの上なく美しい。
水面下に石があるかもしれない、止そうかと白濁する水面を改めて見降ろした瞬間、我知らず飛び降りていた。投身自殺する人間の心理を心に引っ掛けたまま。
12mの位置エネルギーというのはやはり大きなもので、股間と手のひらをしたたかに打った。ゴウッと潜り、水面へ浮上する際に見上げた水泡と水色の世界、そして息の出来る空間への回帰、音の復活。水量多く、予定よりも下に流されて、次女家内が眼鏡とシャツを持って降りてきてくれた。慌てた家内は川苔で滑ってスマホ画面にヒビを入れてしまった。
恐怖を乗り越えたというよりは、好奇心に吸い寄せられたというのが正しいだろうか。義務感？ 降りた後の心情に対する興味、か。コロナ禍に、人は何故そうも死にたくないと言うのか？ 未だヤリタイことやるべきことがあるから、か。守るべき人がいるから。
前回跳んだのは、大學探検部同期のイトーと一年生の夏休みに遊んだ際と記憶する。いや、その数年後に先輩のミチさんとも来たか？ ミチ”ビア樽”さんの飛び込んだ後の派手な水柱が記憶にあるようなないような。ともあれ、25年くらい振りのことだった。
話はちょっと違うけれど、かつてここでは水量不足で跳んだ人の骨折事例もあるという。死亡事例もあったか。だからといって「飛び込み禁止」としないところがお子様文化に堕していない、郡上八幡は日本が世界に誇る水の町だと思う。
今日はちょっとむち打ち気味で首が痛む。でもやりたかったんだ。
私が欲しいのは、スマホPC弄りの情報の集積ではなく知識を積み重ねた上での知恵であり経験なのだろう。死を隣の座布団に座らせて、音楽を枕に独り酒を飲みたい。
唯今を、生々しく生きているという実感が欲しい。
今は安西水丸が好きで聴いていたというMJQの「Pyramid」を聴いてこれを書いている。そのレコードが入っていたディスクユニオンの紙袋には何の偶然か、こう印刷があった。
『DIVE into MUSIC.』
やっぱ凄いすよねぇ
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