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2021年09月16日 18:49全体に公開

ギク

 一昨日早朝、叔父が亡くなった。母の兄に当たり、享年92だった。肺癌で、8月一杯の余命宣告を受けていたことを思うと長らえた余命だったことと思う。それもご家族の自宅での看取りあってのことだったらう。喪主である長男から通夜・本葬の受付を頼まれたので、会社を休んで参列した。
 昨日、半日のオガ粉まみれの出社を経て夕刻の通夜に駆け付けた。御自宅からの出棺の手伝いから始まったのだったがこのコロナ禍で、ご近所の見送りすらも辞退するようなご時世である。45年ほど前のことだが、同じ在所(本家)の田舎集落での祖母の出棺は盛大だったことを記憶するだけに、憐れさすら感じる旅立ちだった。

 今日の本葬も壇蜜、いや三密を避ける配慮のもとで、家族以外の参列者は礼拝後は速やかに退場頂く徹底ぶりだった。
 更には記帳コーナーには「誠に勝手ながら御香資の儀 ご辞退申し上げます」の札まで下げる徹底ぶりで、思わず物事の成り立ちに疑問を感じてしまった。
 そもそも、故人の最期を見送るための地域の互助、相互扶助の知恵として「香典」という存在があるのだと私は認識していたのだったが21世紀の今や、地方の個人資産が熟したのか葬儀の(ほぼ)すべてを家族内負担で賄う葬儀の在り様である。そんな点に、生物でも無生物でもないウィルスの空恐ろしさを痛感した。冠婚葬祭という地域を繋ぐ重要なイベントすらも駆逐する、この意志もないウィルスに我々人類は思い切り翻弄されている。断絶とまでは言わないけれど、人と人との繋がりを明らかに断とうと意志付けている。
 火葬後、精進落としの会食すらも封じられて皆その足で帰宅され、受付の私は一人で頂いた。
 喪主のヒロちゃんに聞けば、四十九日法要もどうしようかと考えあぐねているという。如何にも難しい時代である。こんな時代に遭遇した我が身の偶然を思う。これはスペイン風邪なんかの歴史を今生きているのと同じなのだ。

 葬儀の席で、母の際の葬送を思い出した。そうしたらその隣に立った叔父の奥方のマキちゃん(マキコさん)が「アンタ今、お母ちゃんの事思い出しとったやろ。」とズバリ指摘されてつげ義春張りにギクリとした。場数を踏むと判る人には判るんやなぁ。この方、早くに旦那を亡くし、親族内では辛口発言の女性として知られた(恐れられた)80前のキツい方だ。私が余りに判りやすい人間に過ぎるのだらうか。

 私が死んだ際にはどのように送られるのか、葬儀の最中にちっくと想像してみた。
 その前に、私はどうやって死ぬのだろう。山で滑落死か、それとも伐倒失敗で杉か檜に踏まれて死ぬのか。「滑落で私は死なない」と言ったのはかの長谷川恒夫氏だが(雪崩で遭難死)、私の場合そのどちらでもない気がする。咽頭がん、とか?
 正面衝突で自動車事故死というのだけは嫌だ。それでは人生、余りにつまらん。もっと激しく。
 激しいと言えば『臨済宗の葬儀は故人を仏の弟子にするための式であり、授戒、念誦、引導などの構成からなる。また引導を渡す儀式の途中に導師が「喝」と叫ぶことがあるが、これはこの世に対する未練を取り除き、邪悪を祓う意味がある。松明に見立てた先の赤い棒を投げるのも、光明を照らし、迷いを断ち切る意味がある。引磬、太鼓、妙鉢などが用いられることが多い。』そのもの激しさの葬儀式であったこともここに記録しておきたい。おっ様七名!

 亡くなった叔父だが、若い頃に美濃町でかの野口五郎と共演したことがあったという(どうにも年が合わない気もするのだが、若い坊主の伴奏をしてやった、という記憶か?)。その際に使用したと思しきバイオリンが故人を偲ぶコーナーに配されていた。先月、野口五郎岳に登ったことを報告はしなかったけれども何かの縁だったのかもしれないと今にして思う。
 叔父の戒名は「光岳●●居士」とあった。テカリダケ! 何故?

 午後、帰宅してから時間もあったので、通勤途中見掛ける草ボーボーの秋葉神社の草刈りに出掛けた。明日以降、スッキリ刈った神社を見るのが楽しみだと思っていたら先ほど班長から日曜までの3連休の連絡があった。山にも行けない4.5連休である。
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コメント

macchan90様

大往生とはいえ人が亡くなるのはとても寂しいことです
叔父さまのご逝去、お悔やみ申し上げます
皆さまのご批判もあるかと思いますが、自分が死ぬことを想定すると癌で死ぬのは死に方としては悪くはないのかなと思います
突然死ではないし、余命がどんなに短くても1か月以上はあると思うので、その間に人生の整理をつける時間があります
また、ノンフィクション作家の柳原和子氏の本(癌サバイバー達のインタビューをまとめた本)の中に、”癌は生活習慣病であるから、サバイバーした人たちには生活の反省し改善をした人が多い”と書かれていました
それで生還できるなら人によっては至高の体験にもなり、もし命が尽きても人生をまとめ上げる時間の猶予と機会となります
2021/9/16 20:29
yasujiさま
突然死ではないとそういった効用もありますか。改善の余地多い人生なので、その考えのもとで苦しみを越えた先の至高体験に繋げられたら言うことないのですが。意志の弱い私は生への渇望を維持できるかに疑問残るところアリです。
2021/9/17 7:09
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