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2022年03月31日 11:22全体に公開

野田知佑氏の訃報

 雨予報で作業が休みとなり、ストーブの前でのんびりと今朝の新聞を読んでいると、野田知佑氏の訃報が目に入った。3/27死去で、低血糖性脳症が死因とあった。あのノダトモが、、、。場所はどこだったのだろうか【徳島と、記事にはあった】。

 モンベル会員(妻)に配布される冊子に、白髪の氏を見掛けることが偶にあったが、最近は熱心に読むほどには執心しなくなった。
 だが、著書である「日本の川を旅する」を初めて手にした40年ほど前は、中学生の私にとってアイドル以上の存在だった。長良川をこよなく愛する当時少年の私は、当本の「長良川」の項を幾度読み返したことか。将来、長良川で研究か何かの表現したいと考えていた私には印象に残る文章だった。高校通学時に長良川でツーリングの一行(パドラー)を見掛けると、あれは椎名誠とノダトモではないかと心ときめかせたものだった。中高の授業中も、窓の外を眺めては今頃ノダトモはどこの空の下を漕ぎ下っているのだろうかと夢想に耽った。大学に入ったら私も「川遊びカヌー」をするのだと息巻いたものだった。
 大学一年時の札幌で雪の多く残る晴れた午前の日差しの下で、誰ぞかの手引きでお目にかかって話す機会を持てたのは今となっては良い思い出だ。その後、探検部同期のイトーや、服部ブンショ―さんから生々しい話も幾つか聞いた。ブンショ―氏も、ノダトモをアウトドアライターの先駆けとして敬意を払っている様子だった(一年前から動けなくなっていたとの情報もお持ちだった)。

 「日本の川を旅する」の単行本表紙にあるこの↓言葉に、アウトドア活動に関心ある日本人の随分な数の首根っこが鷲掴みにされたことと思う。

 「確かに川旅は『男の世界』である。自分の腕を信頼して毎日何度か危険を冒し、少々シンドクて、孤独で、いつも野の風と光の中で生き、絶えず少年のように胸をときめかせ、海賊のように自由で――――― つまり、ここには男の望むものすべてがある」
 まぁ、そんなにも格好の良いハードボイルドな世界でもなかったですが。

 息子の誕生日に氏の訃報を知り及んだ偶然に、思うところもある。のんびり行こうぜ、ってか。
 先週末の雨の影響で、長良川はこの時期にしては珍しく綺麗な水を豊かに流している。河口堰は出来てしまったけれど(板取村にはダムはできなかった)、長良川は野田さんの知る美しい流れを今も保っております。また、漕ぎに来てくんせぇ。
 合掌。

【写真の初版本は、探検部先輩で故・澤田実氏と親しかった佐野氏が特に私に、と下さったモノ。中は本にある「長良川」の項のラストシーンとほぼ同じアングル。右は、、、、野田知佑。】
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