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10年ほど前からの私の中での登山家に対する興味関心は山野井泰史氏に有って、雑誌資料を集めた。意志を持って山に登る人に興味があって、意志を持たずに山に登るヒトにはあまり興味はないかも。
ここ近年のソレは服部文祥氏にあって、秋の夜長の寝しなに読むのは「獲物山」であり「獲物山�供廚任△蝓�岳人誌の特集号でありまた、みすず書房刊の「サバイバル三部作」にあった。今、存命の人物でこの人くらい面白いヒトは私の中で見当たらない。
そんな興味で数年前に中古本を購入した「coyote」に両氏が掲載された号があった【65号】。他に、アレックス・オノルドや石川直樹氏の文章もある。
で、当雑誌で一番グググっときたのは服部文祥氏の文、では残念ながらなく「最初の一歩」65で伊藤比呂美が書く「恋の行方」だった。
「1982年のことだったが、わたしは男を追ってポーランドに行った。・・・・詩人として仕事が来はじめたところだった。某編集者からは、今日本を離れたら日本の人に忘れられるよと言われた。そんなとき、某詩人に言われたのが『そりゃ親を殺してでも行かなくちゃ』だ。その言葉に弾かれた。・・・・親の顔が見えなくなったとき、感傷と、これでよいのだ、せいせいしたという気持ちがせめぎあったのを覚えている。・・・・この男とこれから一緒に暮らすのだと思った。」
ここで登場の男、とはポーランド文学者で元夫の西成彦氏のこと。
こんな、剣鉈でザクザクと削ったような無骨でありながら明快な作文が出来たらどんなに心が晴れやかなことだろう。
機会あらばご一読あれ。誰しも覚えある、恋の行方。
今は氏の『読み解き「般若心経」』を読んでいる。解説は、藤原さんもインタビューしていたと記憶する、宗教家の山折哲雄氏。
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