1/20から「円空大賞展」が開催されたからである。第11回を銘打っているが、これまでには李禹煥(リ・ウファン)が大賞を、私の大好きな浜田知明が円空賞を受賞するような栄えある?賞である。これまで観てきた中には確かにハッとする"病的な"作品もあったため、今回も期待をして観覧に出向いた。
今回は木彫で有名な舟越桂が円空賞を受賞しており、例の作品目的に訪れた方もお見えだったことと思う。
私が今日注目したのは、残念ながら受賞作ではなく所々に配置された円空仏だった。やはり円空の木彫は好い。インスタレーションと言われるアートは、私の肌にはどうにも合わない。
目を引いた作品もあった。
それはイギリスのデイビッド・ナッシュ氏のコーナーにあった映像(作品?)で、樹種は判らないけれど大木の元木を玉切り、その丸く型取った球形造形物【丸い木玉】を渓流に流して30年以上の間追跡したフィルムだった。何というか、目が釘付けになってしまった! 一見、無骨な丸い岩にも見えるその塊りが、雨後に流され、時に橋脚に嵌り、河原に佇み、比重は水よりごく僅か小さいのであろう時に意志を持った塊りの如くに浮遊してユラユラと下降していく。沢登りを愛好する私だけが本作に感応しているのかと思えばそうではなく、先ほどまで円空仏をバシャバシャバシャリと撮りまくっていたお爺、ウェスタンの女性連れの薄毛の若者も私同様椅子に貼り付けになっていた。川を下るパドラーにも何某か訴えかけるもののある映像に思う。
デイビッド氏は「倒木や立ち枯れた木などを題材に、自然環境と関わり合いつつ、制作を展開する」作家らしいが、きっと彼なら日本生まれのsawanoboriや日本林業に「いいね!」することだらう。私もゲージツ家になれるかも、と思わせてくれるのがイイ。
充実の、(送迎待機時間使いの)一時間だった。
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