その先週の「明治任侠伝 三代目襲名」は加藤泰監督とあってやや期待が大きかっただけに今一つの感想しか持てなかったが、今回の鶴田浩二映画は三島由紀夫も絶賛?しただけあって見応え充分の作品だった。映画館の惹句に「血で血を洗う凄惨な総長跡目相続争い!鶴田・若山の名演技!任侠映画史に輝く傑作!」とあったが、これはちょっと言い過ぎ。
冒頭に出てくる川島、とは大陸浪人「川島浪速」のことと思われる。川島と結託した仙波多三郎(金子信雄)が諸悪の根源で、金子にぴったりの役どころである。
二代目にあてがわれる石戸だが、名和宏にはこの手の役どころが実に多い。そして、石戸暗殺の刺客には、緋牡丹博徒シリーズ第一作冒頭で指を詰めさせられるあの男。
若山富三郎が松田組々長として一本気な漢を好演していた。後の緋牡丹博徒シリーズでは報われない相手である藤純子と若き夫婦役で組めてヨカッタなや。
中井(鶴田)の妻役であるつや子(桜町弘子)が自害し、その墓前で兄弟の盃を叩き割る音がいつまでも耳に残った。
「中井ッ……叔父貴分のワシ(仙波)にドスを向ける気かッ!てめェの任侠道はそんなもんだったのか……!」と責め立てるが(アンタに言われたかねぇヨ)、中井は静かに言い返した。
「任侠道か……そんなもん俺にはねえ……俺は、ただの、ケチな人殺しなんだ……」
やっぱ、傑作かも。
図書館で合流後、大雨の中二人して唐揚げ定食を摂って帰宅した。
「唐揚道か……そんなもん俺にはねえ……俺は、ただの、ケチな〇〇〇なんだ……」
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する