岳人誌特集「熊野古道」

2023年10月21日 14:58本全体に公開

　岳人誌最新号(2023.10)を読んだ。今月号は特集が「熊野古道」であり、あるページに名前を出してもらったことも手伝いちゃんと購入して読んだ。
　しかし、想像した以上には面白くは読めなかった。何故？　熊野古道という私が興味関心ある読み物だったというのに、何故？
　山の雑誌なのだから、記事が単なるガイド文にならないよう腐心している跡は読みとれるのだが、それにしても何かが足りていなかった。煮え切らない。

　ヤマレコにしてもそうなのだが、私が読みたいのは一般的な情報の羅列ではなく極めて個人的な、思いの迸った物語なのだと思う。何があった、何が見えた、何を食べた、暑かった寒かった、楽しかった、コースタイムよりも早かった、、、、、ではなくて、私は何に突き動かされて何故それをしたかったのかしなくてはならなかったのか、が読みたい。百名山、赤線繋ぎもいいいけれど、少なくとも”何故”は聞いてみたい。

　熊野にある古道だから、世界に二本しかない世界遺産だから歩く？　いや、少なくとも私にとってはそこにしかない何かを求めてこれまで歩いてきたつもりだ。そして実際、素晴らしい体験が叶った。また、何故にこうも熊野の古道に引き付けられるのかの謎を解くためにこれからも歩くことと思う。
　今回の記事については書き手の思い入れの深さが少々足りていなかったためだろうか。モノがモノだけに、もっと面白い紙面にできたことと思う。次回の特集「熊野古道②」に期待しマス。

　別誌だが、先月号の「山と渓谷」に掲載された大内尚樹氏のインタビューは大変面白く読んだ。クライミングに重きを置いている点はさておき、原始性や一般登山者が目を付けないような山域を求める志向では共感を持って記録や著書を読んできた身としては意外な一面に興味を惹かれた。登山を愛好する人の中に稀にいる「この世界にしか居ない変わった人たち」の話がラストに盛られていて、面白い読み物になっていた。山に「たった一人だけの世界」を求める私とは正反対の指向だった。

2023-10-20 「キリエのうた」を観に、関へ。

2023-10-29 親方の七七日忌

お気に入りした人

人

拍手で応援

拍手した人

拍手

訪問者数：415人