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増村保造は東大出の監督で、三島由紀夫と近いそうな。
で、その一作目に上映されるのが「暖流(1957)」である。
惹句には「情熱的な女をめぐって、多感な青年がたどる愛情の暖流。芸術の薫り高い文芸大作!」とエクスクラメーションマーク付きである。
原作は岸田 國士(きしだ くにお)で、漂泊の人、ほぼ野垂れ死んだ洋画家である長谷川利行にこの作家を描いた作品がある(私にはそちらの記憶のほうが先にあった)。
映画「暖流」には三作あって、1939年上映作、本1957上映作、そして1966年作がある。
主役に根上淳、準主役の野添ひとみは今の広瀬アリスを思わせる。この映画のキーマンも左幸子だった。予備知識で得ていた増村映画の評判通りに、主張する女性たちの存在が際立つ映画になっていた。当時の最先端モダンがアキ・カウリスマキ映画の配色に似ていると感じたのは私だけだろうか。敵地乗り込み後の左とのゴロゴロ水道シーンに、笑えた。
1939年作の配役は佐分利信と高峰秀子で、1966年作は岩下志麻、平幹次郎とある。う〜ん、それらも観てみたい。
来週は「巨人と玩具」で、この二週は増村保造監督特集ともいえるし野添ひとみ特集とも言える。
増村監督作品と言えば若尾文子、だと思うので再度当監督特集を組む際には「卍」「赤い天使」等上映してくれたら私は嬉しい。というより、次回は今は無き札幌の蠍座で組まれた2010年春以来の「若尾文子特集」を是非に!【ここまで4/4記】
【追】4/7には開高健原作の「巨人と玩具」を観た。二年後に結婚する野添ひとみと川口浩が主役級の扱いで登場する。人間社会の愚かしさを予見した作品と言える。それを象徴する役が高松英郎であり信欣三、だったか。
上記文のように4/4に若尾文子のリクエストをしたら、不思議なことに6月初めに若尾主演、水上勉原作の「波影」がプログラムされた! 本劇場で若尾文子登場の映画を観るのは初ではないか? 今から楽しみにしたい。
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