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岐阜県美術館が誇るルドンコレクションだが、これまで繰り返し観てきたものの訴えかけるものが私の中でどうにも発酵せず、折角の機会だったが今回は鑑賞を見送り、山本芳翠展のみに観覧料を払った。
山本芳翠とルドンは歳が十違う画家で、共にフランスの美術教授ジェロームに習った共通項がある。が、面識があったという記載は無かった。
山本芳翠は、熊谷守一と並んで岐阜が輩出した日本近代洋画壇初期に現れた大物の一人として位置づけられている。代表作の「裸婦」と「浦島図」は当館が所有しており、今回も当然展示があった。
私は個人的に日本近代洋画の初期作品に強い興味関心があるので、芳翠作品も好んで観てきた方だと思っていたけれど、本展示には東京藝大所有の作品「西洋婦人」や三菱重工業(株)長崎造船所が所有する一連の『十二支』(現存は卯辰を除いた十作品)、そして皇居三の丸尚蔵館収蔵作も含まれており、新鮮さをもって鑑賞することができた。芳翠は、蝋燭や月光などの採光を絵に反映する様が誠に好ましい。また、芳翠周辺の画家作品ということで原田直次郎の「靴屋のおやじ」等々も展示があり、東京藝大美術館で観て以来の再会があった。
あぁ、来て観てヨカッタ。来週12/8まで。
ただ、杖突いて絵を観るのも楽ではなかった。こんな公的機関ですら、日本人は手出しするのが上手とは感じなかった(→下手だなぁ)。旅の途上のアジアの人達はこんな時、サラッと厭味なく手助けしてくれたものだった。
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