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夏に冬の映画を観たが、やはり寒くはならなかった。ただ外は暑かった。【酷暑の岐阜で「あゝ野麦峠」を観る(2024.7.21)】
冬に冬の映画を観ても寒さの二乗であり、暑くなることはない。ただ、熱くはなった↓。
まず、今日観た「新網走番外地 さいはての流れ者(1969)」のこと。
話は誠にシンプルな勧善懲悪もの。健さんのマチズモを、藤原さんだったら何と評するだろう。
鉄火肌の女として星百合子が鉄砲持って登場する。当時26歳、流石にお美しい。健さんの、当時の男がそうであったろう、女との距離の取り方が実に潔良い。間、ではなくて。
例の「死んでもらうぜ」に痺れる構図なのだが、漂白された現代社会に於いてはあの手の悪者は既に駆逐されてしまった感がありますね。行内での金の小判横領、私大理事長のネコババだとか、死んでもらう程のことに無い。だって、少なくとも人は殺めていないのだから(ともに女だから、ではない)。それにしても闇バイト事件を知るにつけ、日本も随分と治安の悪い物騒な国に成り下がった、と思う。
ネチネチの名古屋弁男が印象に残った。また健さんが敵対する組の、殴り殴られの番頭(山本麟一)と心を通わす辺りは観ていて心温まるシーンだった。北海道弁が上手いなや、と思えばもとより旭川出身の役者だった。とは言え基本、B-C級映画である。それでも、健さんらしく良質な漢気が伝った映画ではあった。
予備知識があったくせに観終わっても、あの子役が先だってゴールデングローブ賞4冠を取った男とは気付かなかった。
「地の涯てに生きるもの(1960)」は、主役の森繁悲願の作品と謳っていたが、ホンマかいな?
学生時代、私に縁の無かった知床の、番屋を舞台にした話だった。
目にしたことのある方にならわかるのだけれど、碧空を背景にした冬の知床連山はハイマツ帯に載った雪の為、一点の曇り無く真っ白で、そんな何気ないシーンにジーンときた。雪の知床には結局登らず仕舞いだったのですが。
司葉子が美し過ぎた。浜辺に立つ彼女の姿が知床の海にピタリ嵌っていた。浜辺美波も太刀打ちできまいて。ただ、あのままバレないのは無理。
ラストではジャック・ロンドンの「火を熾す」を思い出した。森繁には悪いけれど、残された猫たちのその後が気になってしまった。合掌。
五〇も半ばで振り返るに、二十代の貴重な十年を北の大地で過ごせたのは今となっては宝だった、と思える。
三枚目写真;街で見かけた、謎のおっさんピカチュウ。
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