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著者の言い分は、北大で青春を賭けた高専柔道由来の寝技主体の柔道こそが、現在主流の立ち技主体の講道館柔道よりも本質を捉えた武道であるという主張だ。当時既に傍流とされたその寝技柔道が、熱意ある先達によって異国に種を蒔かれて巡り巡って総合格闘技として再び芽を出した物語としても読めるのが面白い。
これを読むと物事の本質なんて時の運、派閥、権力、語気の強さで捻じ曲げられてしまうことがあると知れる。しかし、良識ある人間が情熱と時間を圧縮して復権させた事例は余所にも数多あるのだろう。本モノは、古びない。
武道に門外漢の私にも大変面白く読めた。物語の流れが著者の思いから逸れていくあたりも”事実は小説より奇なり”でもないが、泣ける。本は折り目だらけになったが一つだけといわれたら、エリオ・グレイシーと木村との対決を挙げたい。汗臭い物語がお好きな向きに、甲種お勧めします。
ブルース•リーのドラゴン映画や『空手バカ一代』を読んで育った世代です。
当時、柔道は空手より弱くて、実戦には向かないスポーツというイメージを刷り込まれていました。
しかし、この本を読んで柔道（柔術）は戦国時代の『組討ち』の流れを汲んでいる実戦格闘術だということを知り、とても興味深く一気に読破しました😄
師匠の牛島辰熊先生や、弟子の木村政彦はそれらの体現者であり、日本人の誇れる武道家だと思いますが、ただ、力道山との一戦だけは無念で仕方ないですね！
人間離れした精進を重ね、築き上げた栄光も一瞬の油断や気迷いで、一気に崩れ去る恐ろしさも教わった気がします。
晩年は後進の指導に励まれたことに、少しは救われた気持ちになれました。
木村政彦外伝も含め、生まれ変わったら、今度は柔道やってみたいなぁ🥋と思わされた上下巻でした😄
本にある通り、肝心要（の節目）である意味で報われない人生だったかもしれません。それでも後進の岩釣兼生氏の活躍で大いなるカタルシスを得たと思いたいです。
生まれ変わったら、、、、私はジャズドラマーになりたいデス。
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