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父方の実家がかつて稲沢市にあって、幼少時からこれまで車で通過し続けてきた名古屋市街、郊外だったが、50過ぎて敢えて接近してみて今回改めて思うところがあった。
私の性格の半分を占めている父方の血は、陰陽の「陰」とも言える部分でありこれまで向き合ってこなかった自分を知った機会でもあった。目を背けてきた、とも。
今でこそ、都市生活で人に取り囲まれた戦後の辛く厳しい暮らしから身に付けた習いだとは理解するけれど、これまでどうにも受け入れ難かった。吝嗇、という難しい言葉にするほどでもないけれど、美濃町出身の大らかな母方親族と比べて相互扶助の点でどうしても目を背けたくなるような"セコさ"を、父親や父方の親族からは感じた。そして自分の中にもそれがあることを。それでも残り半分の血で、特に心ある相手に対して払うべきところには払っているつもりデス。貯め込むばかりのケチな人間は、付き合う上でどうしても苦手なんだ。
私の結婚相手とその両親が、分かち合うことの大切さを知った人達でホント運が良かった。我々の子供たちはまた、それら血を半分ずつ分けた訳だが、歳をとって私と同じく思い至ることだろうか。
この機会に、陰の因果を受けて早逝した叔父の墓参ができて何よりだった。
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