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2015年12月22日 23:54全体に公開

おくやみ

けいさんと、初めて会ったのは、2002年の今頃でした。奥穂の冬季小屋で、厳冬期穂高に来るようなクライマーにインタビューしようと何日か待っていました。三日目に初めてやってきた人が谷口けいと大木ボンドの二人、前穂の北尾根からはるばる縦走してきたところでした。その時のインタで、こんな季節にこんなところに来て、とその感想を問えば「地球を感じるんです」と、けいさんはイキイキした目で真顔で答えてくれました。若若しくて、本当に素敵でした。僕の聞いたこれまでで屈指のインタビューの一つです。
その後けいさんはカメット南東壁を登るような大物になりました。
2011年の春、マッキンリー付近で死んでしまった後輩の白石淳也が、最後にベースキャンプで会ったのがけいさんだったという縁で連絡を取りあいました。
昨年、僕は今甲府に住んでいるのですが、けいさんから、八ヶ岳山麓の古民家に住みたいけどいいところないかな、という相談を受けて、いくらかつてをあたりました。八ヶ岳山麓の暮らしを愛したけいさんでした。
今年はる、ネパール大地震の際に現地にいて、山麓からカトマンズまで10日かけて徒歩で歩いて帰った話も、甲府での講演会で聞きました。冬になったらイグルー山行したいねと話して、それが最後になりました。
若くて残念だけど、手ぬかりなくやりたいことをやり続けて、悔いのない人生だったのだと、僕は思っています。人の命はいつか限りが来るのだから、けいさんみたいに生きられれば僕ならば満足です。人の付き合いは死をもって終わることはありません。死者は死んでなお、残った人々の縁結びをしてくれると、死んだ仲間を思い出す時僕はいつも思います。
http://aach.ees.hokudai.ac.jp/xc/modules/AACHBlog/details.php?bid=731
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