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中世日本の研究者と、現代辺境探検家ライターの気ままなトーク集です。探検家のふるさと、山登りは「非日常」ですから面白いヒントが盛りだくさんです。
織田信長が上洛するまでの中世日本は同じ無政府状態で今の日本と全く違った価値観や社会で、何故か現代ソマリアと凄くかぶってるという話です。
「雑炊ばかり食べるミャンマの奥地の食文化」p110に関しては、膝を打ちました。私の出身大学山岳部は徹底的に山でのメシは雑炊でした。米は膨らんで量が増えるし、スープ、おかず一体で、調理が楽で失敗なし、鍋も食器も火器もイッコで済みます。忙しく働く山登りでは完璧楽ちんメニューなのです。
「紙で尻を拭く野蛮人」p92と欧米文明を見るイスラムの意識には、これも日常に蹴りを入れる活発思考です。西アジア、南アジアじゃ、お尻は洗うのが当たり前。山でもそれでいいと思うんだけど。
ミャンマー軍事政権と徳川幕府の近似性、「あと」と「さき」の意味の変遷、寺の持つアジ―ル(治外法権の避難所)性、単作米と飢饉、大豆と野田醤油、上洛はリスキーであること、男色は戦国文化。中世史の研究家は発展途上国に行くとメンタリティーのイメージができ、理解が進むという点も面白いです。室町時代は、古文書の数が人一人の生涯で読めるぎりぎりの量でちょうどいいという話も。
村上春樹の小説名に近いタイトルは御愛嬌ですが、やけにぴったりはまっています。山口晃の表紙絵が見あきません。
紙でお尻を拭く野蛮人…私もみました、
ゴールデントライアングルのトレッキング時に、少数民族が飼ってる犬が仔犬ばかりで、やけに可愛いのですが食用との事、その犬の餌は人間の排泄物です。トイレがなく、何となく人目のないとこに欧米人がしてるんですが、紙を放置したままで、持ち帰らず。仔犬が群がって食べてます。紙が消化するのか心配しましたが、私にも催促するようなつぶらな瞳。この子達を食べてまた排泄する。凄いサイクルだと思いました。また、私達が上流から乗ってきた竹イカダは下流の村で竹籠にされます。大金叩いてツアー料金支払う客が運び屋。客のドイツ人が2メートルほどあるのに、ガイドさんは小学生くらいしか身長がなく、火縄銃でした。玉詰めてるあいだにゲリラに殺されそうです。ツアーの南アフリカ人に、臭いイエローモンキーと嫌な顔されましたが、少数民族には、黄色が人気で一緒に水浴びしました。言葉もわからない私を仲間にいれてくれて笑顔。他国に来て人種差別する南アフリカ人より幸せそうです。お食事はガイドさんが担いできたラーメンや現地のお母さんが作る料理ですが、雑炊じゃなかったような…
ゴールデントライアングル行ったのなら、この人高野さん、たくさん書いているみたいだからいいかも。「アヘン王国潜入記」とか「ミャンマーの柳生一族」とか。イヌ食についても対談ありましたよ。
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