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それまでの山行記録はすべてデータで手元にあり、主なものは所属の山岳部OB会HP(1996年より)に文章と写真数点で記録を書いていましたが、載せていない個人的なものも含めて30年分の山行記録の行き場はそれまでありませんでした。それをすべてヤマレコに入力してスッキリして、それから更に10年経ちました。
山行日数は1744日、均せば8日に1日、8秒に1秒山に登った勘定です。それがわかるのもヤマレコのおかげです。自分が40年間どの年に日数的にガツガツ登っていたか、どの年に行けなかったのか、棒グラフではじめてわかるようになりました。赤い線の地図や百名山一覧で、どれだけ登ったかがわかるようになりました。
山行は、記録を書き終わって完結するという実感があり、下山当日にまとめてしまいます。人のためではなく自分のため。そうは言っても誰でも読めることを心がけて書きますが、誰も書きそうにないことを書きたいと思います。
山といっても志向はさまざま。地形図をにらみ誰も行かないようなルートを描いて独自の山行記録を残す人や、目のつけどころが近い人などともヤマレコ上で出会うことができました。日記の欄では、山と関係ない話なのに面白い書評や紹介の話題があったりして、ここがまた多くのおもしろい書き手との出会いの場となりました。書かなくなっちゃった人も、まだ会ったことはないけれどやり取りを楽しみにしている人もたくさんできました。日々さまざまな葛藤を抱えながらも週末の山に一喜一憂している人々、山登りを初めたばかりの楽しい気持ちを書いてくれる人々、山が好きというだけの共感で垣間見る、会ったこともない親しみのある人達です。
日記の欄などは、時々自分のものでも読み返して面白がることがあります。文章は書き続けることで思考がはっきりし、書いているうちに自分でも驚くことに気づくことがあります。移ろいやすいネットの世界なのに、ひとつの場で、10年も続けて書くことができてありがたいことでした。
このまえ鍼灸院のセンセイにゴリゴリされながら「登山でいちばんノっている年代はいくつぐらいですか?」と問われ、考えてみたら僕の場合は40代でした。出会いと感動、志向決定の10代20代、仕事や社会との折り合いもあって迷走の30代を経て、経験と仲間とに恵まれ、収穫の時代が40代の山登りだったように思います。あくまで週末登山愛好家としてですが、一番自分のやりたい山域で、やりたい方法の山行アイディアを浮かべて実践できました。その頃にちょうどヤマレコに恵まれた格好です。
先月、日高の奥深いところばっかりを40年間登り続けた記録集「無名峰」の読書感想を書きました。著者島田茂氏は僕の10年上の世代です。仕事とか、境遇とか、50代になると山に行かせてくれないさまざまな条件が生まれても、日高に行き続ける彼の姿を読み、私もこんなへこたれていちゃ駄目だな!と思いました。
山登りが人生の一時期の楽しみで離れていってしまう人もいます。それは境遇と出会いにより仕方のない事です。でも、山登りが人生そのものになる人もいくらかはいます。おそらく僕は死ぬまで山登りの可能性を探し続けると思います。ヤマレコにもいつまでも続いて行ってほしいと思っています。
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