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ひとつはアイディアを連発する人のノート術の本で、追加記入スペースを設けた2軍ノートに、思いついたアイディアを書き留めておいて、それをちょっとリッチな1軍ノートにインスタみたいな図解入りで清書しておくというもの。1軍ノートにはアイディアが集積しているのでめくるだけで楽しくて、なんかネタない?というオファーにすぐ応戦できるというもの。あさ、起きがけに浅い眠りのときにアイディアがよく浮かぶ。アイディアを捕まえて捕獲してメモしておく術。
もう一方は精神科医による仏教初歩入門の本。仏教は根源的な悩み、日常的な悩みに対し、最も実践的な答えを与える「行」を柱にしているという。「怒り」をいかに客観化し、激しく移ろう感情の波を自分ではない自分として捉えるか、が説かれる。怒りに駆られたとき目をつぶって3回以上「私は怒っている」と心の中で唱えるだけで全然違うと。3分姿勢を正し目を閉じるという型をつべこべ聞かずにやってみるだけで納得した。私の心は川のように次から次へと流れてくる想念で予期せぬ妄想がエンドレスで続いていく。自分の心の中なのに、湧き出づる想念の奔流。
瞑想を行として、自分の心の揺れを客観的に見つめる別の自分を置く。これが仏教の教える、苦悩から解かれる方策の一つのようだ。
自意識の枠を壊し対象と融合させてより澄んだ状態に心のポテンシャルを持っていくために、朝一番に行う「行」がおすすめされている。包丁を研ぐとか、玄関を掃くとか、水シャワーを浴びるとか、毎日必ず最優先で続ける何かを無心に整える作業。僕はカメラマンだから、レンズの掃除でも良い。何か同じ行いを毎日行うことの効能について書いている。確かに毎朝起きて同じように湯を沸かし、朝食の準備をするとき、心が整うのを感じる。
二冊の本とも、自分の心の揺れ動きはもはや客体的なものであり、それを見ている自分を持たなければ相対化できない。そして、目の前を流れる想念の奔流から、良い魚をすくい上げいけすに入れておき、餌をやって金魚にするのが、ノート術の話ではなかろうか。川の畔で流れてくるものを見ているイメージ。アイディアはその人が前の日に経験したさまざまな行きずりや会話から。感度を敏感にしておくこと。すり減らされていてはいけない。
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