道まで登るのも、担ぎ上げるのも難しそう。幸い携帯が通じたので110番で救助要請した。別の場所でも遭難があったとのことで2時間待った。待つ間、お茶なども作ったが口内出血で飲めず。流血もポタポタ程度なので特に止血もせず。寒いかもしれないのでタープを体にかけて保温した。降りたバスの時間から推測すると、我らが来るまで2時間ほどここにいたことになる。ヘリを待つ間、警察との電話で当人の情報を細かく聞かれ、あまり話がうまくできないので間に入って答える。
2時間後、魔鳥のようにヘリが現れ、細い谷の上でホバリングし、隊員一人が50mほどのウインチで降りてきて遭難者に大きなハーネスを付ける。再び垂らされた50mものワイヤー先の金具がスイングし、地上で手を上げた隊員の片手にスチャッと一発で収まったコントロールには驚いた。あとは環付きビナをかけて二人で上昇。見事な訓練の賜物だ。
滑落現場は、急斜面を横切る全く平坦な登山道。何かよろめいて崖側に倒れたのか。一見灌木と草で覆われ高度感もなく止まりそうなものだが荷物が重かったり、頭が下だったりですぐに止まれなければ、かなり落ちる。止まった場所が沢の中で、登山道の丸木橋から見える場所だったのが極めて幸運だった。藪の中なら、まず誰からも見つけてもらえない。
我々は台風の影響でルート変更、エスケープの途上だった。天気が良ければここは通らなかった。
確かに単独で、荷物多め、高齢ではある。でも、だから危ないかどうかは人による。そうでなくたってこうなる可能性はあるし、これまでの自分の山行で、こうならなかったスレスレはいくらでもあったろう。
今朝は稜線で天国のような花畑を歩いた。顔が腫れ、血まみれになった彼の顔は地獄の底だった。天国も、地獄もあるのが山登りだ。
命は無事だったし、人数も少ないから新聞TVには載らない。載っても、地方版だけで、ほとんどの遭難者の住む都市圏では知られない。でも富山岐阜長野山梨では毎日数件起きている。ヤマレコで、長野県警との提携で過去の遭難現場と詳細が地図上で表示できる機能が先週始まった、と長野ローカルニュースでやっていた。山には地獄も有ることを忘れきってはいけない。そして、人に迷惑をかけないことだけを第一優先に考える風潮は嫌いだ。多少の迷惑を掛け合うのは生きている限りお互い様だ。あの人が普段どれだけ人助けをしているかもわからないことだ。
それにしても携帯電話とヘリコプター。これが使えない救助もあった。あのときはホント大変だった。
yoneyamaさん、こんばんは。
救助活動、お疲れさまです。
さすがの冷静沈着対応と感心すると同時に、自分も要救助者となりえることを改めて肝に銘じ、そのリスクを可能な限り低減して、山登りを続けたいと思いました。
今年は梅雨明けが遅く、私のような一般登山者も短い夏で何処に行こうか思いを巡らせていることと思います。安全第一に、無理のない登山を心がけたいと思います。
骨折もなく、医療素人が手当できることは特になかったので、体の脇にぴたりとくっついて座るように心がけました。震えが伝わると寒いかどうか様子もわかるし、体温が伝わると安心するから。手当とは、そういうことかも。
救助活動、お疲れさまでした。
歩き慣れた道でもフとした弾みで
大怪我をする事もありますので
今後も気を引き締めて歩こうと思います。
ありがとうございました!
yoneyamaさん、こんにちは。
一緒に待つってとても大事だと思います。遭難者なのに中途半端に動ける状況だと動いて再度滑落したり、迷ったりすることもあるし。何より人といることで不安が軽減されると思います。
山で迷子の小学生と会ったことがあって、動いたら保護者とすれ違うと思ってひたすらその子が動かないようにふたりで喋って父親を待ちました。
それ以外にも誰がなんと言っても私が一緒に待てば結果が少し変わっていたかもと思う遭難者と行き合うこともありました。
山で人とはぐれるって、厄介ですよね。一回やればコリゴリ。ちょっとした分かれ道でちょっとまつていれは避けられたのに、て。それからの回復には無限の選択肢があって。たいせつなのは、慌てないことですね。
yoneyama さん お疲れさまです。
大変でしたね。遭難ってホントにけっこう何でもないところで起こったりするものなんですね。
何はともあれ助かってよかった。
全く毎度タッタカとトレランでもやりそうな道です。ダム湖脇の切り通し水平道って、藪は付いていても急傾斜で恐ろしいものです。
今日家族からお礼の電話いただきました。重症ではあるけれど、救出が早かったので完治できそうだと聞いて、ほっとしました。
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