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宗教は、良いか悪いかではなく、人は宗教なしではありえない。どう付き合うかの問題である、とあります。
儀礼は、その起源を言えないくらい根拠がないから儀礼であり、その儀礼が廃れてきた近代社会、そしてその弊害に関して。僕も10年ぐらい前までは儀礼的なものが嫌いで嫌いで。でもようやく大人になって(こどもができて)わかってきました。古くから伝わる意味不明な儀礼を繰り返すことの本当の意味が。
政治と宗教の関係、カルトの話、それも含めた巷の宗派の歴史的な分岐図や教義の違いなどにも詳しい専門の釈氏との「漫才講義」で、内田氏が例によって痛快に語ります。殺し文句連発なんですが、本の概要をまとめようとなるとまとまらないのが内田本の特徴か。
社会の激変期に日本では宗教ブームが起きる。明治維新と戦後。日本の第三次宗教ブームが1980年代にあり、その分岐点が1973年オイルショック、ベトナムでの米軍敗戦、戦後安定体制崩壊の崩れ始めの1975年に重なるという内田氏の話にいろいろ思い返してみた。それまで日本人は共通の価値観を共有していたけど、内田氏の記憶では75年ころからあっちとこっちに分かれ始めた。あっちに行った人たちはアメリカ型の成功を求める人たち(高い家、高い車、高い服、高い料理、ゴルフやスキーの暮らしにワクワクする)で、その後バブルで栄耀栄華を極めた。こっちの人たちは「そういうのはオレ的には全然ワクワクしないんだけど・・・」という人たち。
周りから見て運のいい人というのは、選択のたびに正しい方を選び続けているように他人には見えるが、そうではなくて、迷わないし、決断もしない。本人には一本道しか見えていない。選択に迫られる時点でその人はかなり運命に見放されている、という話、山に例えれば全くその通りだな!と思いました。山登りは人生そのものです。
内田さんの本、いっぱいありますね。どれも面白いけど全部は読み切れない。実質デビュー作の「おじさん的思考」の軽いショックは忘れられないです。現代霊性論、読む予定じゃなかったけど、今日購入しちゃいました、yoneyamaさんのせいで
日本の反知性主義が今日発売って聞いて書店に行ったら、さすが田舎、24日入庫ですとのことで、こちらに手が伸びた次第です。しばらく子守(孫守り)期間なので、読んだらまた感想などを書いてみたいと思います。
反知性主義、新聞広告にありましたね。
内田本多すぎて、どれに書いてあったんだか忘れてしまいます。
日本霊性論、というよく似た題の本もありますね。同じ二人の対談で。
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