28日の「クローズアップ現代」では、ヤマレコもその一部をなす、ネット登山が取り上げられました。期待して見たのですが、問題の掘り下げ以前に、いま登山の何が問題かも、焦点が定まらなかった。
「ネット登山」ということで、そこを改善すれば、最近の遭難者増加が防げるのか? と感じました。
番組では、最大のネット登山層が参加しているヤマレコが、ネットという場が無謀登山などをあおることにならぬよう、日々改善をすすめていることを伝えていました。
他のネット媒体も、ガイドとの連携や講習会など、地道な活動を重ねている様子が伝えられました。
その一方で、史上最高の発生件数を更新している山の遭難。
問題はネットにとどまらず、もっと深く、また制度的なサポートの問題もあると思います。
以前と違って、未体験、未教育、リーダー的存在なしの登山者が大多数を占めている。
ガイドの地位も不安定で、公的な案内・サポート態勢も欧州などにくらべ遅れている。文部省の研修体制しかり。
そこから、ツアー登山が、大量遭難事故の原因になったりする。
道迷い事故に次いで犠牲者が多いのが、滑落と低体温症ですが、低体温症についても、基本的知識に接する機会がないままのガイドが多いことも、事故を通じて明らかになってきています。
そういう全体状況のうえに、中高年登山者と、比較的若い登山者が、どっと山へ繰り出している。
個人の努力・研鑚も大事ですが、いま挙げてきた全体傾向から見ると、やはり公共的で総合的な、登山者支援、体験支援の体制の拡充が切実ではないかと、私は思います。登山人口がここまで増えてきているのですから、山域単位で案内・相談体制を拡充したり、街でもいろいろな研修を体験できるような取り組みが必要なのでは?
もっと効果的な手立てがあるかもしれませんが。
そして、そうはいっても基盤になるのは、当人の山の安全への自主的な研鑚ですね。
ネットだけでは不足や危うさがあるのなら、リアルの面で体制をとるべしです。山岳団体の全国組織(日山協などなど)もこれを重視したい意向です。
ネットでつながることが、危険を増やすとは、私は思いません。
むしろネットでつながることで、参加者がリアルな場面でも成長してきているように思います
大事なことは、危険に気がついたら、はっきりいうことです。
私はヤマレコの体験で3回、はっきり書き、1回は第三者から抗議を受けましたが、そこを指摘し合うのもヤマレコだと考えてきました。
ヤマレコは頑張っています。よりよい形をおたがいに考えていきたいものです。
tanigawaさん、こんばんわ。
おおむね同感です。番組では、ネットが普及した社会ならではの、登山での遭難者の増加を取り上げたにすぎず、根本的な解決に繋がる方向性までは掘り下げなられてはいなかったように思います。
もっとも、これは我々がまさしくその当事者だから、そう思うだけで、登山に縁のない人から見れば、それなりに掘り下げられた内容だったのではないかと思います。この辺は短い放映時間ではやむを得ないのかな。
おっしゃる通り、山域別でもかまわないので、安全な登山に対する、啓蒙、教育、規制など、なにがしかが必要な時代になってきたと感じます。例えば、夏の富士山で、ごく軽装なハイカーの通過を阻止できるくらいの権限を持たせた指導員を置く。とか、やり方はいろいろあるかと思います。
s-katayamaさんへ。
ヤマレコをはじめとした、ネット上の登山の情報入手、交流が、遭難者を増やす一因になっているということでは、実態とかなり違うよ、というのが私の見方です。
否定面でなく、積極面を見れば、ヤマレコのようなサイトがあるおかげで、登山者がいろいろな質の情報に接することができ、計画段階から、山の安全、現地で注意すべき問題などを、早い段階でつかみこともできる。
失敗や遭難の事例を知り、現場に見合う用意もできる。
ヤマレコをふくむこうしたネット上の情報交換、交流は、危険を増すどころか、安全に役立つ面が大きいと思います。
ヤマレコは、登山計画書の提出も簡易におこなえるようにしています。
私が、要望したいのは、自治体や県警、各地の山・観光案内のサイトで、リアルタイムで、よりきめの細かい情報提供を拡充するなどのことです。
各山岳の過去の事故例も、地元の自治体・県警のサイトでは例示することもしてほしい。
ネット登山の側だけでなく、こうした制度的・公的なフォローが基盤として必要だと思います。
クローズアップ現代では、ガイドが2人ついて白馬雪渓を登る場面が放映されていました。ところが、雪渓を登行する行動条件は、6,7m先がかすむような濃い霧の条件でした。
白馬雪渓での、これまでの典型的な事故例は、「霧のなかを音もなく落ちてくる(バウンドしながら突進してくる)落石」による事故です。
晴れた条件で雪渓の全体を眺めると、雪渓上に、直径1m内外の落石が、数十個が数えられるのが普通です。
番組では、「ガイドが付いている」ことや、「アイゼン歩行」は紹介していたものの、濃霧の悪条件で雪渓にはいり込むことについては、紹介されなかった。この状況で最大の危険は落石ですから、ガイドが落石に注意する場面です。私なら、自分がリーダーだったり、家族など大事な人を同行する場面では、この視界の条件が好転するまで、待機する場面です。
それを注意喚起の場面なしに、映像で流せば、大雪渓を登る登山者は、この放送の行動を良しと受けとめてしまう。リーダーの注意喚起は、映像では、体調確認のかけ声だけでした。
山の安全の問題は、映像化する場合でも、そこまで気を配る必要があると感じます。
ツアーが観光旅行に、トレランがスポーツに思われて、山が自然の一部ではなく人間の管理している安全な場所として認識されちゃってるのかもしれない、と感じます。
ranger9-1さん、たぶん、初めてコメントをいただきましたね。
問題の大状況については同じ認識ですが、ヤマレコの現状と管理者のとりくみについては、ranger9-1さんは厳しい認識をされているように受けとめました。
ヤマレコは、出発して初期のころから、登山の安全の面でもいろいろな努力を重ねてきた経過があると私は感じています。
山の記録について、書き手の文章や主観に制約されず、客観的な危険性の面の情報提示をどう取り入れていくかについても、管理者の努力、そしてユーザー側の努力が重ねられてきた面があります。
ネット媒体だから制約があるということで、とどまっているのではなく、山の危険に向き合う共通の足場から、参加者同士の意見交換、率直な問題提起など、垣根をより低くして交流していくことが、いっそう大事になってくると思います。
管理者だけでは、膨大な記録の、問題の検討は、むずかしい。誰にとってもそうです。 あえて一案として、山の安全のうえで、検討・交流をすべき内容をはらむ記録や書き込みについては、「要検討」表示を示すようなことも必要になってくるかもしれません。
運営上、交流上は、難しい面をはらみます。誰が、どういう基準で、それをするのかという問題もある。しかし、対面する意見交流よりも、ネットでなら交流しやすい面があります。
よりよい方向を考えてゆくべきですが、ネット上だから何が流されてもいい、というわけにはいかない時代になってきていますね。
そういうことは検討していくにしても、私は、ユーザー同士の、より気楽な、日常の声のかけあいができるヤマレコに進んでいけたらと思っています。
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