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http://trace.kinokoyama.net/hokkaido/yoichidake-siraigawa75.6.htm
私たちは白井川左股川(現在の地形図表示では右股川)を遡行し、余市岳山頂を経て、本流を下降。
午後6時をすぎて、かなりへとへとで沢水につかりながら、、豊羽元山という鉱山に下山しようとしていました。3人とも、もう早く水から脱出して陸を歩きたいという気分になっていたのは確か。
そのとき、下る沢の左手の森に、ふいに白い道が浮かび上がりました。「あれは・・・おい、林道じゃないか!!」
6月の雪解け水から抜け出したい気持ちもあり、3人で迷うことなく左岸のその林道に上がりました。
「やった! やっとこれで豊羽元山へ下山できる。」
最終バスにも間に合うかもしれません。
が、元気をとりもどして歩きだしたその林道は、豊羽鉱山に向かうのではなく、だらだらと水平に進んで沢を離れて行きます。
日は暮れかかり、「まあ、遠回りにはなっても、ふもとに降りられるに違いない。」
そんなことを話しながら、さらに林道を進むと、今度は林道は下山方向とは逆向きに蛇行して、背後の尾根へ向かって高度を上げはじめました。
驚いて、ここで初めて地図を広げ、ヘッドランプで確かめましたが、新設のこの林道は地図にありません。
いったい、この林道はどこへ向かっているんだ! あたりはすでに暗く、もう沢に引き返すことはできない。
それにしても、下山するはずの林道が山を登りだすなんて。不思議でなりませんでした。帰れるだろうか? 今晩はこんな場所で泊まるのか。
なをも進むと、右下の谷底、はるか下に見える明かりは、豊羽鉱山のものらしい。最終バスもとっくに出てしまったはず。
今度は全員がヘッドランプを取り出して、覚悟を決めました。必ず、必ず、下ってくれるはずだ。「だって、この林道を作る重機だって、反対側から上がってきたはずなんだから」。
そんなことを言い合いつつ、3人でヒグマを恐れながら、真っ暗な林道を歩き続けました。1人でなくて、ほんとうによかった。それにしても、この林道をは150メートルほども高度を上げたあと、水平に尾根をまいてすすむだけで、なかなか下ろうとしません。
夜8時すぎになりました。何キロ歩いたろう?
やぶれかぶれになったところで、林道は右手、バスの走る白井川の谷底へ下降し始めました。
車道に降り立ったのは午後9時すぎ。
どうやらここは、定山渓と豊羽鉱山との中間地点あたりらしい。
朝に左俣川のテン場を出ていらい、この日の行動時間は、すでに14時間に達していました。
野宿するよりは、と、今度は車道をまた歩きだすと、後方から車のエンジン音が響いてきました。手を降ると停車して、乗せてくれるといいます。「助かった」。
聞けば、こんなところを、こんな時間に歩いている人は、ほとんどいないとのことで、ドライバーは敗残兵のような私たちを見て、「ウワサの幽霊が出たか」と一瞬、ぎくりとしたとのこと。その本物の幽霊は、ご多分にもれず、「若い女の幽霊」とのことでした。
知らない道に入るときは、たとえ下山口近くでも、かならず地図で確かめよう。アホな体験の深刻な教訓です。
tanigawaさん・こんにちわ!
先日御巣鷹の日記、有難う御座いました。
不思議でアホな話、私も昔経験しました。やはり3人でした。帰途、独りなら決してやらないショート・カットの藪漕ぎをしていたら、出来立ての真新しい一車線の林道にでました。助かったと思いその道を30分下ったら、突然無人の工事現場で道が終わっていました。逆方向に歩いていたのです。3人とも話しに夢中で、自然に下っている方向に歩いていた、不思議でもない単なるアホな話でした。相仲
地図にない林道に出ると、どっちが登りか下りかは、全くわかりませんね!本当に不安になります。地方には林道のような国道もありますが・・・
ainakarenさんへ
>帰途、独りなら決してやらないショート・カットの藪漕ぎをしていたら、出来立ての真新しい一車線の林道にでました。
同じような体験をしている登山者が、けっこういるのかもしれませんね。仲間といっしょだと、それだけで心強くて、慎重さが欠けてしまったのかなと、私は思っています。
araigenga さんへ
>地図にない林道に出ると、どっちが登りか下りかは、全くわかりませんね!本当に不安になります。
最初から不安感があると、おいそれと乗れなくて、慎重にんるんですけどね。
へとへとで道に出たりすると、つい「渡りに舟」になっちゃいますね。
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