この年末、山梨県では、2件の遭難事故があり、4人が滑落で亡くなっています。
このうち上野原市の坪山では、男性1人女性2人が滑落で亡くなりました。現場は春の花見の人気コース。私も、年に1、2度ずつ、より人気のないルートから出かけてきた一帯でした。
亡くなった方は、いずれも滑落が原因と見られる負傷をしていたと伝えられています。3人は、登山道から数十メートル下で、発見されました。
場所は少し離れていますが、去年の1月、私もこの地域の山で、危うく滑落しそうになり、その体験を記録にアップしていました。
ヤマレコの記録。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1074678.html
「・・・幾つめかのヤセた尾根を登り下りしたところで、不意に右足がスリップし、右手(北側)の崖の側に体が流れ、尻をついた。
そばの背丈の低い木や灌木をつかめたので、体が落ちるのを食い止めることができた。滑ったのは2m足らず。
四つん這いになり、慎重に登り返し、吊り尾根にもどった。
なぜ、滑ったのか? 滑った場所を見ると、枯れ葉が重なった下に、氷が見えた。数枚、重ねの枯れ葉をどけると、その下の地面も凍っていた。
釣り尾根状になった尾根道の北側は、地面に光が差さず、日中も日が差さない。枯れ葉の薄い層の下は、凍ったまま。
表面ばかり見て、何でもない場所と思っていたが、危ないところだった。
このあたり、小さなピークとピークの鞍部では、地面が南と北の両側から浸食を受け、残った50センチほどの道幅のところを、バランスを取りながら歩かさせられるところがある。尾根の北側は、全体に日が差さず、斜度のある白い滑り台のようになって、はるか下方まで落ちこんでいる。谷側に滑ったら、止まらない。」
今度の事故の様子と、私の体験とから考えたことは次のことです。
1つは、関東南部の低山、里山など、真冬でも雪で覆われない山では、凍った地面や残雪が枯れ葉に隠され、危険を察知しにくい場合があることです。報道でも、雪はまだほとんどなかったと伝えられています。それでも滑落事故が起こった。
見た目、滑落の危険が察知しにくいだけに、雪国の山より、危うい場合がある。
日当たりの良い側の斜面とは、まったく異なる凍った斜面が待っている場合も、しっかり見て、対応する必要があると思いました。
2つめに装備の点。
去年のこのスリップのとき、私はアイゼンの脱着が面倒くさくなり、アイゼンを脱いで行動していたところで、スリップを食らいました。
実際には、南関東の山でも、真冬にアイゼンを通しで履くということは、よくあります。
それに加えて、今度のように、凍った地面用などに、チェーンスパイクを併用するのは効果があると思います。
私は、アイゼン派なのですが、骨折から回復中の体の具合もあり、チェーンスパイクも取り入れることを検討中です。
(今回のパーティの装備については、足がためは、情報がありません。)
3、山梨県東部のこの山域は、それなりに奥が深く、登山者が入るところは、部分的です。冬季はだれにも会わないことが多くなります。ルートは落ち葉に埋もれ、谷は傾斜がきつい。
奥多摩もこれに準じます。
見た目、雪がわずかでも、冬山は夏とは違う。よく準備して入山したいと思います。
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