(情報を得たい人以外はスルー願います。23日に状況が一変。汚染レベルが桁違いに上がり、ほとんどの野菜と水道に影響がひろがりました。今日のコメントをごらんください。)
ホウレンソウなど農作物と、水道水への影響は前にとりあげてきたことですが、数十キロ圏で大気中の測定値があがった20日以後、 水道、農作物、牛乳などに、かなり高い放射能汚染が続々と発表されています。
今度は大気中の放射線の測定値ではなく、直接、体にとりこむ食品の問題です。体内被曝(内部被ばく)です。それだけに、危険性の度合いはより具体的と思います。
原子力災害に対応する農作物、食品の放射能汚染について、厚生労働省が暫定基準を設け、通知したのは17日。
これは、放射線の体内被曝について国際的な基準として扱われているもの(国際放射線防護委員会の勧告)をもとに作成されました。「1年間、毎日その食品をとり続けると、健康に影響が及ぶおそれがある」という基準です。
仮に、2000ベクレル(kg当たり)の値のホウレンソウを1日200グラム、10日間毎日食べると、300マイクロ・シーベルトの体内被曝を受けることになります。(換算式あり)
1年間では、10800マイクロ・シーベルト=約11ミリ・シーベルト。
人体に影響が出る可能性が強まる、100ミリ・シーベルトの、そのまた10分の1だから、人によって、また年齢によって、さらに、摂取した核種の種類によっては、影響が出る恐れがある、ということになります。
問題は、実際に浴びる放射線量は、条件によってかなり増減があることです。
*減る場合。
同じ野菜を毎日食べることはない。
洗ったり、調理の過程で、放射性物質が除かれる。
*増える場合。影響が大きくなる場合。
1品だけでなく、他の野菜・食品や、水道水からも、汚染が続く限り、長期間にわたって複合的に摂る。
土壌や大気など環境放射能からも、体外被曝を受ける。とくに事故現場から近いところほど。
セシウム137など数十年単位の半減期をもつ核種をとりこんだときは、放射線はすぐには弱くならない。
放射性ヨウ素を活発にとりこみ甲状腺がんになりやすい子どもへの影響は、危険性が大人より高い。
毎日1年間食べるというと、現実から離れた想定に思えます。
でも、日本人は、私もですが、葉物をはじめ、野菜は毎日、もっと多くを食べています。水道水は、1リットル前後は、調理や飲用を通じて飲み続けます。
牛乳も同じ。
だから現実離れしているのは、実は、基準値を超えたものを「食べても、ただちに健康に影響するものではない」というアナウンスの方です。
たとえば、福島県での水道水の汚染は、「すぐに健康に影響が出る数値ではないが、1リットルを1年間飲み続けると健康に異常を来す可能性がある」(現地対策本部)とされています。
水ですから、味噌汁でもご飯でも、なんにでも入ってきます。
牛乳も大きな値が出ました。これも、ふだん飲み続ける点では同じ。原乳1キロ当たり300ベクレルの基準を超え、5000ベクレルという値も出ました。最大値を示した福島県の飯館村は、私の高校時代の同級生がいたところで、40キロも原発から離れています。
葉ものでは、シュンギクやホウレンソウ、カキ菜。関東全域にまで汚染が広がっています。茨城のホウレンソウでは、最大値54000ベクレル。
茨城の値は、その環境に居住する人への影響も考慮して、土壌の測定などが、されていいレベルです。
いまの汚染が一時的なものではなくて、今後も現場で放射能が完全に封じ込められるまで引き続く・・・。これは、かなり予測されることです。
すると、水、乳牛、野菜、さらには今後は、毎日2000トンもの放水が海に垂れ流されているなかで、魚介類や海藻などからも、それぞれに「1年中、毎日食べる」という現実が、続く可能性が出てきます。
食べたものは合算されて、体に放射能が取り込まれ続ける。
その危険性から体をまもるための測定であり、暫定基準であり、出荷停止措置です。私は、とても大事にしたい基準と思います。
年間累積して、1年分を合算すると、被ばく線量は基準の100ミリシーベルトにたいして、その相当な割合になることも、ことが長期化すればあるのですから。
また基準以下の摂取や被ばくによる、その人への長期的な影響は、ほんとうのところ、確かめられていません。
「ただちに」は当然ですが、「長い期間では」わかっていない。多くの人のうち、どれだけに、がん、が現れるかもわからない。甲状腺がんの度合いが大きい、子どもはもっと心配です。
新聞をふくめて何人かの適切な解説にあったように、本来は次のように、言わねばなりません。
*「基準を超えたものは食べない、出荷しない。これが大事」
*「たとえ微量でも、できるだけ被ばくしないに、こしたことはない」
*「健康診断の医療レントゲンと比べるのはやめてほしい。被ばく量が増えるのは健康にマイナスだからだ」
*「放射能はただしく怖がることが必要だ」
* 高いデータの汚染がすすむ生産地域は、土壌・環境そのものの測定が必要。(乳幼児がいることは好ましくない)
だから国は、基準を超えた品種は、その県全域で出荷停止という措置を開始しています。
事故で基準を超えた汚染が確認されたのは、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県ですが、影響はすでに北へも広がっていますし、東京、埼玉もすれすれです。
今後は、夏野菜もコメも危うい。
すでに原発事故災害で、国が地元などに負担する金額は1兆円。この額は被災者対策を入れればもっと膨大になる。東電には現行の法で負担責任は明確にはありません。
追加の話ですが、私は、牛乳の汚染が不思議でなりません。
福島では、まだ、牧草類は芽生えてもいません。1週間あまりで何から放射性物質が牛の体に入り込んだのか? 用水からかもしれませんが、不思議です。
牛は塩分や無機質を補うため、土をなめることがあります。他の家畜や野生動物もそうです。土壌がかなり汚染がすすんでいるのか?
40キロ離れて、絞った牛乳に5000ベクレルなんて。やはり母子が安心していられる場所では、いまはない。
私もお話をうかがったことがある放射線化学の専門家は、「今回の検出値からいうと、広範囲に地表に放射性物質が落ちている可能性がある」と新聞でのべていました。茨城のホウレンソウの値も、大きすぎます。
(23日追記。
文部科学省は、北西約40キロの飯館村内で土1キロ当たりヨウ素を117万ベクレル、セシウムを16万3千ベクレル検出したと発表しました。やはり、土壌に尋常でない汚染がすすんでいます。セシウムも多量で野菜の汚染は相当に長期につづくでしょう。)
アメリカでは80キロ圏を、水・農作物・土壌の汚染エリアにしていして、原子力防災作戦をすすめます。福島原発事故の放射能飛散状況は、いま、この範囲を超えつつあるように思います。
飯館村は、営農や農村での活動を志すIターンの若い世代が定着して、全国的に注目されてきたところでした。
その村が、18日以後、残る人もおり、また避難も始めています。
おはようございます。本当にテレビの比較が、一般的な生活と比べずに安心ですといってるのが気になります。
ニューヨーク⇒日本を往復するより被爆量が少ないとか、CT検査より少ないとか、そんなこと毎日する人はパイロットか放射線治療を受けてる患者さんくらいで一般人からすると非日常だと思うのですが。。。。
アスベストや水俣病などの公害と一緒にしたら駄目でしょうが、即死はしなくても毎日少しづつ取り入れて静かに体を蝕むのが一番怖いですね。
でも、そんなこと言ってたら、今安心して食べるもの、水がないのにどうすればいいのかということになるでしょうが。。。本当に今後、国はどのように、被害に対して補償や今後の対策をしていくのか。。。
心配です。
maron9393さん
テレビでこの分野の専門家の方が出たときに、もっと時間をとって、言いたい全体像を話せるようにすると、聞く側もよく受けとめられるように思います。
テレビ局は、しばしば、頭に結論をおいて、その範囲で短い決まり文句を流す。
また、「風評被害」への関与も、マスコミはおそれている。
実はそれでは、現実が進行しますから逆効果で、もっと全貌と基準厳守の意味を伝えるべきなのです。
18日に日本学術会議の緊急集会が行なわれました。そこで報告した放射線医学の研究者(東大医学部)は、原発でいまの現場の作業にあたっている方々について、人体への影響は10年〜30年かけて現われる、長期的な観察が必要だと、話していました。
現場の基準は100ミリ・シーベルトから250ミリ・シーベルトに緊急に基準が引き上げられました。その影響にも目を向けての話と思いました。
100ミリ・シーベルトというと、現場だけの水準にとられがちですが、上に書いた私の文章をよく見ていただくと、体内被曝の正確な怖さがわかると思います。
基準値よりずっと少ない地域の農産物は、大丈夫なのですから、出荷段階で厳格なラインを引くのが、消費者にも安心です。
産地表示のないものは、実際のところ、店に並べられないでしょう。
その代わり、農家への補償はしっかりやるべきです。
「俺は何も悪いことをしていないのに!」と、福島の酪農家が言っていました。
放射性物質は既に相当量が飛散してしまった様です。原発自体は少しずつ良い方向には向かっているようですが、まだまだ予断は許しません。
ある意味、覚悟した上で、生きていくしかありませんが、私のような年寄りはともかく、子供達への影響は大きく、将来が懸念されます。
wakaさんへ。
核燃料が融けたり、圧力を逃がすためにガスを抜き続けたり、また1基は格納容器も壊れたようですから、日本でこれまでなかったようなたくさんの放射能が飛散してきたのは、まちがいないです。
ここでおさまる方向にくれば、長くひどい汚染は現地とその周辺に限定されるでしょう。
でも、閉じ込めと廃炉まで、その状態が長く続くのは、避けられません。
ほんとうにもう大丈夫なのか? という危うさもまだあります。
3基の原子炉と、4個所の使用済み核燃料で、合わせて7つが、まだ事故のさなかにあります。
1つを終息できる可能性が、70パーセントあるとしても、7つの問題をすべて終息できる可能性は、0.7の7乗になります。
全部うまくいく可能性は、これだと数パーセントしかない。うち1基でも失敗すると、大量拡散です。
安定して冷却できてからも、現場からの飛散はなお続きます。
当面は関東・東北の広い範囲で汚染問題が続くでしょう。
現地から脱け出してきた人たちは、安心して住むことができるまで、相当長くかかることを観念していると思います。
私は、高校生のときから、福島の現地の経過を見つめてきました。
最初は反対が圧倒的多数でした。今の大半の世代にとっては、自分の親や祖父の時代に、カネと雇用と暴力とで、受け入れたことでした。
いまの働きざかりの人たちは、親がした判断で、原発を十字架のように背負ってきた。
町は、土木建設工事で活気をおび、最初だけ潤ったが、すぐに結局大きな借金をかかえた。補助金を目当てにした原発増設なしには、成り立たない地域経済と意識になっていった。
そして、問題の原点にたちかえるような事故が起こりました。
子どもたちに何を残すことになるのか。
地元には、そのことを訴えて頑張ってきた人たちがいました。そういう教師たち、地元の人もたくさんいました。
未来に向かって、判断を誤ってはいけないのだと思います。
手遅れの可能性がありますが、運よく手遅れにならなければ、福島は再出発できると思います。
tanigawaさん こんばんわ。私も「ただちに影響が出る訳ではない」「こんな量食べたり、�emj:120:im]�セりすることは現実的ではない」などのフレーズをなんか違和感と無責任さを感じてました確かに水道水だけを1L飲むことはないですが コーヒー 紅茶 あらゆるものを通じて摂取ますので 1Lなんか簡単に摂取してしまいますね。放射能が怖いのは
半減期が長いのと蓄積する事です。きしくもmaron9393さんがおっしゃってますが世の中にあるあらゆる物質に許容量が決まってますが 「アスベスト」許容量以下を吸い込んでもただちににはガンにならなくてもそのたった一本が将来悪さするかもしれませんし
怖いのは最初は1本しか
吸い込まなくても 次1本
そうしてるうちに許容量を越えてるかもしれません。今回の放射能も同じように思います。
放射能汚染との終わりなき戦いの今はまだ序章です。「雨にとけ風に乗って」広がっていく…
覚悟を決めて生きていくしかないです。でもつぎの
世代にツケを残さないように最大限努力していきましょう。
miccyanさんへ。
そうですね。アスベストであれ、極端な話、青酸カリであれ、「基準以下なら、ただちに健康に影響しないから、そう気にしないで飲んで」なんて、言いませんね。
放射能汚染で、この常套文句を多用するのは、なぜなんだろう?
そう考えると・・・。
*あまりに広範囲に影響がおよび、手が打てない。
→ 現実的には放っておくしかない。
*実際、影響はあとになってから、疫学調査をして初めてつかめる。
→20年後では、アナウンスした人はもう問われない。
*事実の全容を伝えても騒ぎになるだけ。
→ それだけ農家への損害賠償が拡大する。
などのことが、あるのかもしれません。
決めるのは結局は地元の世論です。危険な活断層地帯、大地震の想定域にある原発を手始めに、全面的な安全総点検のうえで、不合格なものを1つ1つ、なくしていくしかありません。
23日になって、状況が一変しました。
汚染レベルは桁違いのひどさ。
そして東京の街中や水道にまで汚染がすすみました。
22日は、東京都新宿区で1平方メートルあたり5300ベクレルのセシウム137、3万2千ベクレルのヨウ素131を検出。
子どもさんには、外出を短時間にし、濡れた、しっかりしたマスクをさせてほしいです。
福島第一原発から約60キロ離れた福島県内の茎立菜という野菜からは、規制値の164倍にあたる1キロあたり8万2000ベクレルの放射性セシウムが検出されました。
(この値は、乳幼児ではこの野菜800グラムで、甲状腺がんの恐れが強まるレベルです。一回も食べさせられない。)
内部被ばくと、外部被ばく。
ずっとこういう環境中にいて、内外全部、積算すると、けっこうなことになります。
とくにヨウ素がこの濃度で拡散しているのは、子どもたちにずごくまずい。
新宿の値のようにセシウムがこれだけ濃いと、東京は長期間、水道水の汚染も続くでしょう。
それにしても、相当量の放射能の拡散が、現場からは続いています。
茨城県ひたちなか市、セシウム1万2千ベクレル、ヨウ素8万5千ベクレル。福島や宮城のデータは出てません。
テレビも新聞も、食品の安全性について、一段、きびしいコメントを今日から出しています。政府も、長期的影響を述べています。昨日とは汚染の水準が違うので、注意されてください。
(23日夕刊でも、研究者は「食べないで」と強く訴えています。)
宮城県知事は、測定も公開も拒否してきました。
でも、こと、ここにいたると、もう県単位で測定しないなんていっていても、流通の現場が許しません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
23日昼過ぎ。
ついに東京の水道水も、1キログラム当たり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたと発表されした。乳児の基準100ベクレルを超えています。
東京都は、「乳幼児に飲ませないで」とアナウンスしました。
水に(つまり土壌にも広範囲に)セシウムが入るのは、まずいです。体に取り込むのを、防ぎようがないです。
いま避難・退避指示が出ている30キロ圏は長期化するとして、それより以遠の人たちで、自主的に避難している方が多くおられます。
いつ戻れるのか? それは現場が一段落(せめて安定的な冷却の条件)しないと、いけない。
もう一つの条件としては、土壌など環境放射能が、長期間そこに滞在しても大丈夫なレベルに落ち着くことがあると思います。
その点で、空間および土壌の放射能の値を継続して追う事が大切になってきます。
今日、出されたうちで、1つ参考になるのは、アメリカエネルギー省が現地上空をセンサスした結果です。
それによると、現場の北西方向に約25キロにわたり、1時間当たり125マイクロ・シーベルト以上の地域が広がっていたとのこと。この線量は、8時間で一般人の年間被ばく線量限度の1ミリ・シーベルトになる高い数値です。
この測定値は、地上1mのところを測ったもの。
飯館村の土壌のものすごく高い値などとあわせて、30キロ以遠の地域でも、まだ、まだ。
原発の事故現場がうまくすすんでから、なおさらに一定期間がかかる、ということでしょうか。
半減期が長いセシウム137が、ここへきて多く検出されだしているのも気にかかります。
30キロ前後の一帯には、屋内退避の方や、避難していない住民が、いまも相当数、とどまっています。
宮城県側もきちんと測定、公表されると、避難されている方にとっては、大事な目安になると思います。
50キロ圏では、福島市で、14日〜21日までを積算すると、屋外にずっと滞在した場合、1・770ミリシーベルトという高い被ばく線量が発表されました。(23日付 毎日新聞)
福島市はいま、1週間屋外に居続けると、人体に影響がおよぶおそれがある線量の1・7倍もの被ばくを受ける状況にあります。
県庁所在地で、私の生まれ育った街が、です。
野菜には表面に放射性物質が付いており、洗えば落ちる、とテレビなどで伝えられ、実験結果までNHKで放送していました。
でも、各地の測定データを出すときは、洗わないと測定できないため、洗うように厚生労働省が求めているんだそうです。
もちろん、洗えば落ちます。
しかし、発表された基準値超えのデータは、すでに洗ったもの。やはり、基準厳守で、しっかり洗って食べないといけないことになります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
http://www.jsa.gr.jp/pukiwiki/index.php?%CA%FC%BC%CD%C0%FE%C8%EF%C7%F8%CC%E4%C2%EA%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6#n3m5ihj33
厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課は、以下の内容の「『緊急時における食品の放射能測定マニュアル』に基づく検査における留意事項について」(第2ページ参照)を急遽発しました。
「野菜等の試料の前処理に際しては、付着している土、埃等に由来する検出を防ぐため、これらを洗浄除去し、検査に供すること。なお、土、埃等の洗浄除去作業においては、汚染防止の観点から流水で実施するなど十分注意すること。」
テレビ等の報道で、「洗えば安全。なんら問題ない」との解説がしばしばなされています。しかし、発表された野菜の放射線量は「流水で」「洗浄除去し」てから検査された測定値ですから、その産地の野菜を購入した市民が、自宅で洗って食べた場合、測定された放射性物質(放射性ヨウ素やセシウムなど)が洗い流せているものと考えることはできません。ただし、洗わないで食べれば、表面に付着した放射性物質を取り込むことになるので、測定された放射線量よりはるかに多量の放射性物質を取り込んでしまう恐れがあります。
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